本紙掲載日:2023-08-19
(2面)

新型コロナ週刊トピック

前週より31・6%減少−お盆で休診、検査数減のためか

 県の感染症週報第32週(7〜13日)によると、県内で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は定点当たり17・67人で、前週から31・6%減少しました。ただ、これは連休を含むお盆期間の休診が多く、検査数が少なかったためとみられます。入院患者数も16日時点で前週から64人減少していますが290人と高い水準で、重症者の報告数は前週と同じ2人でした。

◆依然として「赤圏域」−県北

 延岡・西臼杵は定点当たりの感染者数が33・89人で前週から15・9%減少、日向・東臼杵も15・7%減の同20・50人でしたが、県が4段階で色分けしている県内7医療圏域の感染状況では、ともに上から2番目の「赤圏域」(基準値=定点当たり20人以上)を継続しています。

 赤圏域は県北のみで、それ以外の西都・児湯(定点当たり18・17人)、都城・北諸県(同18・10人)、小林・えびの・西諸県(同14・00人)、宮崎・東諸県(同11・83人)がオレンジ圏域(基準値=同10人以上)。日南・串間(同7・60人)は黄圏域(基準値=同5人以上)と、それぞれ1段階下がりました。

 県内の定点医療機関から報告された新規感染者数の年代別割合は、多い順に、5〜9歳が15%▼5歳未満が13%▼40代11%▼10〜14歳が10%▼30代と50代が9%▼20代と60代が8%▼70代が7%▼80代以上が6%▼15〜19歳が4%でした。

 県が定点報告数を基にした推計感染者数も、今週は1日当たり757人で前週より351人減少し、4週間ぶりに1000人を下回りました。

◇避けられない感染拡大

 今週報告された新規感染者数は全国的に減少しましたが、一昨年や昨年もお盆期間には同じ傾向が見られました。ただ、過去には8月後半から9月にかけて、より大きなピークが起きており、今年もそれは避けられない見込みです。

 昨年夏の「第7波」はオミクロン株のBA・5の感染が急速に広まったわけですが、新型コロナの感染症法上の区分が「2類相当」だったことで一定の行動制限もありました。

 今年の夏はBA・5よりも感染力が強いとされるXBB系統が流行し、「5類」移行に伴い行動制限がなくなったことで旅行や帰省など人の動きが活発化していることから、専門家らは全国的に感染者数が再増加するとみています。

 感染症が専門で入院調整などに当たっている佐藤圭創医師(延岡市新型コロナ対策アドバイザー)は、最近では無症状の感染者や疑わしい症状があっても受診しない人が増えているため、実際の感染者数は「報告数より約3割多い」と分析しています。それに当てはめると現在は昨年とほぼ同じ状況にあると言えます。

◇日向、インフルエンザも急増

 隔離治療が前提の「2類相当」だったこともありますが、昨年の8月後半は延岡市内の新型コロナ病床が満床を超え、一般病棟を割いて対応したほか、医療従事者らも感染・濃厚接触者になるなど、医療提供態勢が危機的な状況になりました。

 延岡市医師会や県立延岡病院は今年も同様の事態が起きることを見越して、急ピッチで準備を進めています。「5類」移行に伴い、より多くの病院で感染者を診療できるようになったため、入院患者を一人でも多く受け入れてもらえるよう病床確保を要請しており、受け入れ先に患者を振り分ける仕組み(プロトコル)も構築しました。

 ただ、そもそも病床数自体に十分な余裕はなく、感染者が急激に増加すれば沖縄県と同じように、あっという間に満床となる恐れもあります。すでにお盆前から夜間や休日を中心に、救急患者の搬送先がなかなか見つからないケースが発生しています。

 昨年は8月23、24日がピークで、その翌週から入院患者が増加しました。一方、県内では日南地区を中心に流行していたインフルエンザがようやく落ち着くかに見えましたが、日向保健所管内でいきなり増加して注意報レベルを超えて、今後は延岡にも年明けに続き再拡大する可能性があり、医療関係者は警戒を強めています。

 県も「過去3年間はお盆明けに感染者数が増加している」として、今後は発熱外来の逼迫(ひっぱく)を防ぐため「症状が軽い場合や、無症状だが念のための検査、証明書の取得を目的とするなど、医療機関を受診する必要がない場合には国が承認した検査キットを活用してほしい」と呼び掛けています。

◇迷ったら電話相談

 延岡市では医療機関の受診に関する相談や療養中に体調が急変して対処に迷う場合などは県新型コロナ感染症相談窓口(筍娃坑牽機Γ沓検Γ毅僑沓亜■横柑間対応)に連絡するよう呼び掛けています。その他新型コロナ関連の相談は市のなんでも総合相談センター(箟箍20・7105、毎日午前9時〜午後4時)でも受け付けています。

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