本紙掲載日:2023-08-23
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幻の果物・ポポーの収穫始まる

延岡市北方町のマリちゃん農園

◆見掛けたらラッキー?−出荷は1日20〜30個

 延岡市北方町上崎のマリちゃん農園(甲斐佐一郎代表)で、〃幻の果物〃と呼ばれるポポーの収穫が今年も始まった。お盆過ぎから9月上旬にかけてが出荷時期で、珍しい果物なだけに毎年楽しみにしている人も多い。

 ポポーは淡い緑色をした楕円(だえん)形の果実で、果肉は黄色や薄いオレンジ色をしている。甘くクリーミーな味わいはナシやバナナ、マンゴーにも例えられ、食べる人や熟し具合によって多彩な感想が聞かれるのも特長。戦後の一時期、国内で流行したが、栽培が難しく、鮮度が落ちるのが早いためか、今ではめったに出回らなくなった。

 同農園を営む佐一郎さん(84)が「夢のある果物に挑戦しよう」と2006年ごろに苗木40本を植えたのが始まりで、花を付けるのに5年、実を付けるのに8年かかったという。

 妻の満理江さん(81)が、毎日1個ずつ手に取って熟し具合を確認する。つるの部分がもろいので、1個ずつネットで保護したり、枝そのものが揺れないようにするのがひと苦労。今月上旬の台風6号では、一番太かったものを含めて3本の果樹が倒れた。台風の多いこの時期は特に気を使うという。「追熟がないので、収穫のタイミングが難しいですね」と満理江さん。

 数年前から、まとまった収穫ができるようになり、市内にある「北方よっちみろ屋」「道の駅北川はゆま」「JA延岡ふるさと市場」の店頭に並ぶ。ただ、1日当たりの出荷量は多くても20〜30個ほどと少ないため、見掛けたらラッキーといえそうだ。

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