本紙掲載日:2023-08-24
(3面)

医学生地域医療ガイダンス

県内23の医療機関で行われた医学生地域医療ガイダンス

臨床実習で地域を体験−県出身者56人23医療機関で

 県出身の医学生らがへき地の医療機関で実習を行う「医学生地域医療ガイダンス」が23日から、延岡、日向市、高千穂町など県内23機関で行われている。主催は県医師確保対策推進協議会など。

 地域における生活・医療への理解等を醸成し、県内地域医療を支える医師の輩出などを目的に毎年実施。今回は宮崎大学、自治医科大学、長崎大学の医学部生56人が、25日まで3日間の体験プログラムに臨んでいる。

 このうち、高千穂町国民健康保険病院(久米修一院長)には自治医科大の2人が訪問。初日は各診療科を回り、担当職員に概要や診察の流れ、設備の使い方などを教わった。手術や外来見学もあり、質問を投げ掛けながら解説に耳を傾けた。

 同院を訪れた学生は町内に滞在し、24日以降、訪問看護や院内の受け付けなどを体験する予定。25日午後には宮崎市で開かれる地域医療ディスカッションに参加し、ほかの医療機関を訪れた学生と学びのフィードバックなどを行うという。

 参加した梅木康多さん(23)=4年=は「小さな病院でも、協力し合うことで充実した医療が提供できると実感した。交流を通じて信頼を築き、身近な人の支えになれる医者になりたい」と感想。前田篤哉さん(19)=1年=は「地域医療にはチーム力が大切だと感じた。もっと知識を付け、患者に頼られる医者になれれば」と話した。

 県内においては近年、深刻化する医師不足や医師偏在の解消に向けてさまざまな取り組みが行われている。中でも宮崎大学医学部は昨年度、学校推薦型選抜入試(地域枠)の定員を従来の25人から40人に拡充。2018年度改正医療法に基づく「キャリア形成プログラム」を確立するなど、地域医療の将来を担う人材育成に力を入れている。

 また、西臼杵郡の3公立病院(高千穂、日之影、五ケ瀬町国民健康保険病院)は、24年4月に経営を統括。患者の病状に応じて入院機能を分担し、医療体制の再構築や職員の充足・育成、経営基盤の強化に取り組むことなどを明かしている。

 初日の案内を担当した飯干隆幸看護部長(59)は「2人とも目標が見えている感じがして良いと思った。へき地で先進医療はできないかもしれないが、1次、2次救急を担い、地域に貢献できるような医者になって帰って来てほしい」と学生に期待を寄せていた。

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