本紙掲載日:2023-08-26
(1面)

2巡目は北方町から−延岡市の移動市役所

再開した延岡市の「移動市役所」(北方コミュニティセンター)

災害対策図り心配解消へ

◆国への働き掛け−でレベル引き上げ

 延岡市の「移動市役所」は23日、北方町川水流の北方コミュニティセンターで開かれ、参加住民が地元の課題点などについて、読谷山洋司市長や部局長らから直接説明を受け、要望を伝えた。

 移動市役所は幹部職員が市内各地に出向いて市民や市内に勤務する人たちの意見・要望を直接聞こうと、2018年7月からスタート。公立中学校区ごとの16地区を対象に年5、6地区で実施し、3年間で一巡することにしている。

 19年度までに全地区開催できたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でその後は中止。新型コロナの感染症法上の区分が「5類」に移行するなど、再び実施できる環境が整ったことから2巡目を開始した。

 読谷山市長は、まず北方町から移動市役所を再開したのは、昨年9月の台風14号で大きな被害を受け、現在も台風シーズンで心配が続いているためだからと強調。国に粘り強く働き掛けた結果、堤防のかさ上げなど、大水害をもたらした05年台風並みの増水に耐えられるレベルまで五ケ瀬川の災害対策が引き上げられることになったなどと報告した。

 町内の内水対策ではまた、昨年、特に被害が大きかった曽木地区と川水流地区で、浸水発生の仕組みを解明する調査に取り組んでいることを紹介。県などに対しても管理河川の対策を強化するよう、「皆さんと市が共同戦線で声を上げていきましょう」と呼び掛けた。

 このほか、4年後の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けて、旧下鹿川小学校を宿泊型施設に改築するなど市外客の受け入れ拡大策や、物価高騰対策、9月補正予算案の概要などを説明。部局長らも別室で質問や要望に応じた。

 このうち、参加者の一人は憩いの場となっている旧北方小グラウンドについて「障害者用のトイレがないのでスポーツ大会が開きづらい」と相談。読谷山市長は、現地近くに新規進出した企業に公衆トイレを洋式化してもらった経緯を報告した上で、「まずは現地を改めて訪れそうした視点で見て、いい方向性を見いだせていければ。過疎対策事業を活用できるかもしれない」と応えていた。

 今年度の移動市役所は−、10月2日に北浦公民館(北浦中学校区)▽11月7日に北川コミュニティセンター(北川中校区)▽12月20日に島野浦島開発総合センター(島野浦中校区)▽来年儀遑械案に安井地区漁村センター(東海中校区のうち、特に安井・神戸地区を想定)−で予定している。

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