本紙掲載日:2023-08-29
(3面)

県内15機関、団体円滑化で協定

価格転嫁の円滑化に関する協定の締結式に出席した関係機関・団体の代表者ら(28日、県庁)

原材料費上昇分−適正な価格転嫁を

 物価高騰に伴う原材料費などの上昇分の適正な価格転嫁につなげるため、国や県、県内経済団体など15機関・団体は28日、価格転嫁の円滑化に関する協定を結んだ。相互に連携・協力して機運を醸成してサプライチェーン(供給連鎖)全体の共存共栄を図り、中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を高める。

 協定書によると、県内企業への聞き取り調査などを通じた情報収集と情報収集の結果の共有・発信のほか、価格転嫁の円滑化に関する支援情報などの共有とウェブサイト、講習会、セミナーを活用した県内企業への周知などに取り組む。

 また、事業者がサプライチェーン全体の付加価値の向上や大企業と中小企業の共存共栄を目指し、発注者側の立場から宣言を行う国提唱の「パートナーシップ構築宣言」を促進。県内企業への周知を通じた認知度の向上や宣言企業に対する支援策の検討なども行う。

 参加する機関・団体は経済産業省九州経済産業局、国土交通省九州運輸局、厚生労働省宮崎労働局、県、県商工会議所連合会▽県商工会連合会、県中小企業団体中央会、県経営者協会、県経済同友会、県中小企業家同友会、県工業会、県トラック協会、県銀行協会、県信用金庫協会、連合宮崎で、県が呼び掛けた。

 締結式は県庁であり、各団体の代表らが協定書に署名。河野知事は「コロナの影響を受けた経済を回復する中で、不安定な国際情勢を背景とした物価高騰が課題。政府が掲げる成長と分配の好循環を実現するには、物価上昇分を適正に価格に転嫁することによる賃上げ原資の確保が重要」と連携と協力を求めた。

 県商工会議所連合会の米良充典会頭は「中小企業・小規模事業者の経営環境は極めて厳しく、生産性の向上と適正・円滑な価格転嫁を行うことが必要。適正な価格転嫁の実現のため、パートナーシップ宣言構築に向けて取り組みたい」。

 連合宮崎の中川育江会長は「宮崎で安全安心に希望を持って働き続けるためにも協定を県全体に波及していくことが重要。加盟する中小企業・小規模事業所で働く方、その家族はたくさんいるので、皆さんと共に取り組みたい」と話していた。

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