本紙掲載日:2023-08-30
(1面)

北浦町の宮野浦バス停−全天候型の待合所に

テープカットで「宮野浦バス待合所」の完成を祝う関係者
宮野浦バス待合所の完成を喜び合う地元の女性ら

延岡市が整備−住民が参加し落成式

◆乗り合いタクシーでも利用

 延岡市が北浦町の宮野浦バス停に全天候型の待合所を整備し、8月28日に現地で関係者や地元住民らが出席しての落成式が行われた。

 完成した「宮野浦バス待合所」は鉄筋コンクリート製の箱形で、広さ7・65平方メートルの内部に木製ベンチ4基を「コ」の字に配置。防犯上の理由でエアコンや出入り口の扉は設けていないが、両側に開閉できる小窓を取り付けた。

 同バス停は宮崎交通路線バス「宮野浦線」の出発点で、コミュニティバス「さわやか号」や、町内で運行するオンデマンド型乗り合いタクシー「チョイソコのべおか」との結節点として、住民が日常的に利用している。

 運転免許の返納者などお年寄りの利用者が多いが、これまではバス停の標識が立っているだけで、座って待機できるベンチなどの設置が求められていたという。

 そこで市が2022年度一般会計補正予算に、バス利用者の維持・拡大と地域住民のコミュニティーづくりを目的とした「新型バス待合所整備事業」の予算を計上し、約350万円を投じて整備した。

 落成式で読谷山洋司市長は、地球温暖化防止や、地元で7割を占めるという高齢者の事故を防ぐためにも公共交通の恩恵は大きいとして、「待合所を安全に暮らすための玄関にしてほしい」と期待。

 10月に宮崎交通が65歳以上を対象に開始する路線バス1乗車200円の「みやざきシニアパス」や市が支給する高齢者バス乗車券などの活用を呼び掛け、チョイソコのべおかの利便性向上も検討していくと話した。

 テープカットで完成を祝った後、早速、地元の女性たちが待合室のベンチに腰掛けるなどしながら見学。水色と白を基調に船をイメージしたというデザインも気に入った様子で、「これなら日差しもしのげるし、雨も平気ですね」と喜んでいた。

 宮野浦区の中井一萬区長は「これまでは強い雨が降ると傘を差してもぬれ、夏は日にさらされ、冬は冷たい風に耐えてバスを待っていたが、立派な待合所ができて区民一同感激している」と市に感謝。「話に夢中になってバスに乗り遅れないようにしないと」と冗談交じりに新たな交流拠点ができたことを喜びつつ、「路線を守っていくため、1人でも2人でも誘い合ってバスを利用したい」と力を込めた。

その他の記事/過去の記事

印刷には対応しておりません。
当サイトは、閲覧のみになります。

写真の販売:https://stg-yukan-daily.epitas.com/provider/
写真販売所ガイド:https://yukan-daily.co.jp/photo-guide/page/