本紙掲載日:2023-09-04
(2面)

湿原の希少種を守りたい

北川中学校生徒や県延岡土木事務所職員など約60人が参加した「家田の自然を守る会」の外来植物駆除活動

家田の自然を守る会−延岡市北川町

◆外来植物を駆除

 延岡市北川町の家田の自然を守る会(岩佐美基会長)は8月27日、同町の家田湿原で外来植物の駆除を行った。毎年3月と8月に実施する奉仕美化活動の一環。サイコクヒメコウホネをはじめ、絶滅危惧種の動植物が数多く生息し、学術的に極めて価値の高い湿原の環境維持に努めている。

 今回は、夏休み中の北川中学校生徒や県延岡土木事務所職員に協力を呼び掛け、会員を含めて約60人で作業を行った。

 駆除の対象は、南米原産のオオフサモと北米原産のウオーターバコパ。いずれも繁殖力が非常に強く、ほかの水生生物や植物に大きな影響を及ぼす侵略的外来種として知られている。

 家田川に架かる「やまんはな橋」に集まった参加者は岩佐会長から作業に関する説明を受けた後、2班に分かれてそれぞれ橋の上流と下流へ。会員が雑草を刈り取って作った道を行き、繁殖が進んでいる湿原地帯で熊手を振るった。

 約2時間の作業で回収された外来植物は軽トラック3台分ほど。積み上げられた植物の量に参加者から驚きの声が上がった。北川中3年の佐藤福恵さん(15)は「駆除は以前にも手伝ったことがあるけど、本当に大変な作業」と額に汗を浮かべていた。

 同会によると、オオフサモは10年ほど前から、ウォーターバコパは数年ほど前から家田湿原での繁殖が目立ち始め、特にオオフサモは切れ藻からの再生や、無性的な繁殖とその繁殖スピードが危険視されているという。

 岩佐会長は「現状、地道に駆除作業を続けていくしかない。夏休み中の中学生はじめ皆さんの協力はとてもありがたい」と話した。

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