本紙掲載日:2023-09-05
(8面)

災害発生時の行動確認−延岡工高

住民・陸自も参加−合同で防災訓練

 県立延岡工業高校(山内武幸校長、697人)でこのほど地元の北緑ケ丘地区(花畑周二郎区長)と合同の防災訓練を実施、防災意識を高めた。陸上自衛隊都城第43普通科連隊第1中隊(平井祐太中隊長)も参加し、災害救助訓練も披露した。

 訓練は、南海トラフや日向灘沖を震源とする地震、それによる津波に備えて実施している。

 この日はまず、地震と津波を想定した避難訓練が行われ、生徒、教職員が各校舎の最上階へ一斉に避難。北緑ケ丘地区の住民約40人も校舎内に逃げ込んだ。

 その後、グラウンドで陸自隊員による訓練を見学。階段が崩落した校舎の屋上に取り残された要救助者を下まで運び出し、心臓マッサージで救命するという流れで、隊員たちは綱を伝い、負傷者を抱えながら下りる「背負い搬送」や、壁と垂直に走りながら下りる「戦闘懸垂」などを次々と披露。会場からは大きな歓声が上がっていた。このほか、自衛隊車両や災害派遣の様子を捉えた写真の展示もあり、生徒たちは興味津々の様子だった。

 平井隊長は「自衛隊のことを知ってもらい、興味を持ってくれる子が少しでも増えてくれれば。延岡工業高校は(同隊の)管轄地域に含まれている。救助が必要になった際は、もちろん迅速に対応していく」と話した。

 機械科3年の猪久保白翔さん(17)は「高い所は怖いと思うが、それを感じさせない自衛隊の方々はかっこ良かった。災害が発生した際は、自分も地域の方々を率先して誘導していきたいと思った」、花畑区長は「参加した住民全員の避難には15分ほどかかった。とりあえず早めに逃げられることが分かって一安心。こうした合同訓練は大変心強い。南海トラフ地震がいつ起こるか分からないので危機感を強めていきたい」と話していた。

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