本紙掲載日:2023-09-12
(1面)

あなたもゲートキーパーに

身近な人の見守りなどを呼び掛ける延岡市自殺対策協議会のメンバー

延岡で自殺予防キャンペーン

 官民21団体でつくる延岡市自殺対策協議会(会長・児島典子市健康福祉部長)は、自殺予防週間初日の10日、イオン延岡店で街頭キャンペーンを行い、悩み苦しんでいる人への声掛けや相談窓口の普及啓発に努めた。

 同協議会を構成する地元の保健所や社協、地域婦人連絡協などから13人が参加。質問項目による心の健康チェックや、うつ病などに該当する場合の相談窓口を案内するとともに、悩んでいる人の声に耳を傾け必要な支援へとつなげる「ゲートキーパー(命の門番)」になってもらえるよう呼び掛けた。

 昨年1年間に県内から報告された自殺者数は213人(男性165人、女性48人)で、前年から6人増加。人口10万人当たりの自殺率も20・4人と前年から0・8人増加して、全国3番目の多さという極めて厳しい結果となった。

 このうち延岡市の自殺者数は19人(男性16人、女性3人)で、自殺率とともに近年は横ばい状態。60歳以上の無職男性の割合が高くなっているという。

◆声掛けと傾聴・助言不要−専門家と連携し見守り継続を

 同協議会は「ゲートキーパーの役割は気持ちさえあれば誰にでもできることです」として、周囲の人に自殺の兆候となる−−

▽元気がない・疲れている。
▽よく眠れていない。
▽食欲がない。
▽体調不良(体の痛みや倦怠(けんたい)感)。
▽飲酒量が増えている。
▽身だしなみが悪くなった。

 などと感じた場合は、「ちゃんと眠れていますか」「つらそうだけど、どうしたの」などと声を掛けて孤独にさせないよう呼び掛けている。

 さらに、相手の言いたいことや悩みにじっくり耳を傾ける「傾聴」にも期待。助言は不要で、うなずいて話を聞いてあげ、決して本人を責めたり、否定したり、安易に励ましたりしないことが大切だという。

 また、経済的な問題や生活支援が必要な場合、うつ病の治療といった医療が必要な場合などは早めに精神科医などの専門家につなぐようアドバイス。できれば本人の了承を得た上で専門家や相談窓口に直接連絡して、一緒に出向くなどの支援までを求めている。

 専門家と連携した後も本人に温かい言葉を掛けたり、必要があれば相談に乗るなど、見守りの継続も大切として、「ぜひ、ゲートキーパーとしての一歩を踏み出してみませんか」と同協議会。問い合わせは延岡市健康長寿課(箟箍22・7014)。

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