本紙掲載日:2023-09-13
(2面)

地域の課題を逆手に取って−草刈りツーリズム

高千穂町の浅ケ部地区で行われた「たかちほ草刈りツーリズムin浅ケ部」
浅ケ部神楽保存会による神楽を鑑賞する参加者たち

観光と組み合わせ交流イベント−高千穂町

 草刈りと地域観光を組み合わせた交流イベント「たかちほ草刈りツーリズムin浅ケ部」が9日、高千穂町三田井の浅ケ部地区であった。町内外から近隣住民を含む43人が参加。作業に汗を流し、昼食を囲みながら地元で継承されている神楽を鑑賞した。主催は同町。

◆応援隊、ファン「増やしたい」

 同町は昨年から、統計や業務データなど客観的証拠に基づく町の強みと課題を再認識し、持続可能なまちづくりに生かす取り組みを進めている。

 草刈りツーリズムは、事業を受託するDHE(本社・東京都、柳原秀哉社長)の調査で、「傾斜地が多く、草刈りが大変」という課題が浮き彫りになったことから、高齢化が進む近隣住民に代わって草刈りを引き受ける交流イベントとして企画。一般参加者を募って初めて開催した。

 午前中は3班に分かれて草刈りを実施。炎天下、熱中症対策を講じながら草刈り機やレーキを使って黙々と作業し、4時間ほど汗を流した。

 午後は浅ケ部公民館に移動し、手作りの煮しめ、神楽うどん、おにぎりを囲んで歓談。地元の浅ケ部神楽保存会(甲斐晃一郎会長、14人)による神楽「神降ろし」「杉登り」「岩潜り」を鑑賞し、荘厳かつ鬼気迫る舞い姿へ惜しみない拍手を送った。

 自身が住む地域でも同様の取り組みができないかと思い、参加したという佐藤高功さん(62)=高千穂町岩戸=は「地域をきれいに保つために有効な手段だと思う。食事はおいしかったし、刀を使う神楽は見ていてハラハラしたが、良いものを見ることができた」と満足げ。

 DHEの佐藤愛さん(38)は「助け合いながら地域課題を解決するという意識を広めたいと思っている。こうしたイベントをきっかけに対象地域を好きになってもらい、継続的に作業を引き受けてくれるような応援隊やファンが増えれば」と話した。

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