本紙掲載日:2023-09-13
(8面)

命を守る行動・処置学ぶ−城山幼稚園

保護者向けに救急救命講座

 延岡市東本小路の城山幼稚園(池内裕園長)で6日、園児の保護者らを対象にした救命救急講座があり、保護者8人と同園職員3人が心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の使い方など、人命救助に必要な知識を学んだ。

 講師の九州保健福祉大学薬学部薬学科の徳永仁教授は、消防白書のデータを紹介。それによると、対象患者を病院に搬送するまでの全国平均時間は約40分で、10年前と比較すると10分遅くなっているという。また、心臓が停止してから約3分間、脳に酸素が届かないと約50%の確率で助からないと言われていることから、「目の前で人が倒れた場合は、その場に居合わせた人の対応次第でその人の人生が変わってくる」と話した。

 続けて、生命の危機に陥った傷病者を救命し、社会復帰させるために必要となる一連の行動と処置を示した「救命の連鎖」を紹介し、心停止の予防▽早期認識と通報▽1次救命処置(心肺蘇生とAED)▽2次救命処置と集中治療を説明した。

 このうち、最初の三つは市民でも行うことができる行動として、参加者は徳永教授の指導の下、マネキンを用いて人命救助に必要な処置を実践。胸骨圧迫するときのリズムや人工呼吸の手順、AEDの使い方を学んだほか、乳幼児を対象にした対処法や気道の異物除去の処置も体験した。

 参加した野地町在住の40代女性は「マネキンで実践してみて胸骨圧迫の力加減が分かった。一人でも多くの命を救えるように、学んだことを復習して今後に生かしていきたい」と話していた。

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