本紙掲載日:2023-09-18
(3面)

節政さん180キロ縦断泳に成功!

恋ケ浦(串間)から須美江(延岡)到着

 県内最南端の串間市・恋ケ浦を5月5日に出発し、約180キロを11区間に分けて泳ぐ「宮崎縦断泳」に挑戦していた延岡市出身でオープンウオータースイミング(OWS)競技者の節政健一さん(35)=宮崎市=が16日午後、大きな挑戦のたびに練習を積んできたホームビーチ、延岡市・須美江に到着した。国内でも例のない挑戦を終え、「周りの人たちが泳がせてくれた。人の温かさに触れた」と感謝した。

 節政さんは東海中学校、延岡工業高校出身。21歳で海や川などの自然の中を泳ぐ長距離水泳競技OWSを始め、津軽海峡やドーバー海峡などの単独横断を成功させてきた。

 コロナ禍で県外や海外での挑戦が難しかった中、地図を眺め、宮崎県が海に面して南北に縦長に伸びていることを再認識。「南から北まで泳げるのではないか」と好奇心が沸いたという。

 話を聞いた友人たちの後押し、支援もあり、毎週末泳ぎ、海の日(7月17日)のゴールを目指して計画を立てた。

 しかし雨の多かった今夏、スタート直後から悪天候に悩まされ、何度も予定を変更。それでも「OWSを知ってもらうことも目的。迷惑が掛かることはしたくない」と、何よりも安全面を優先し、天候がいい日のみを選んで挑戦した。

 結果的に予定日から2カ月遅れ。また、1日に2区間を泳ぐなどして11区間にし、距離は定置網などを避けて泳いだ影響で20キロ以上延びたが、無事泳ぎ切った。

 ゴール後、最も大変だったことを問われると、「4カ月半、泳げるコンディションを保ち続けたこと」と即答。

 10キロ泳いで消費するカロリーはフルマラソンと同じと言われている。平日は会社員として働きながら、遠泳ができる体形の維持、体の調整、メンタルのコントロールなど、常に泳げる準備をしてきた。

 それでも、挑戦を続けるうちに支援の輪は広がり、伴走船などでサポートする支援者の数は100人以上になった。「周りの人の応援を裏切ることができないと思い、心が折れなかった。支援者の方々が実現できるようにサポートしてくれた」と感謝の言葉が続いた。

 「海のグラデーションの変化を楽しむことができた。温度、味、質感など、多分、僕が一番知っている。泳いでいてずっとワクワクしていた」と笑顔で振り返り、今後については、「次やりたいことができたら、また挑戦したい」と話した。

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