本紙掲載日:2023-09-22
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天下一能面の見どころ紹介

延岡城・内藤記念博物館企画展

◆「小面」「大べし見」など−能面ガイドの会がご案内

 延岡市のボランティアグループ「能面ガイドの会」(椛山幸子会長)は21日、延岡城・内藤記念博物館(天神小路)で開催中の企画展「内藤家旧蔵の能・狂言面〜受け継がれてきた天下一」に展示されている能面や狂言面のガイドツアーを行った。

 同会会員の甲斐千里さんが、企画展の来場者を対象に旧延岡藩内藤家が市に寄贈した能、狂言面計72面のうち展示されている39面を一つ一つ説明。豊臣秀吉から「天下一」の称号を与えられた面打ち師6人の焼き印についても紹介した。

 このうち、10月7日に延岡城址(し)二の丸広場で開催する「第26回のべおか天下一薪能」で使用予定の「小面(こおもて)」は、広い額にふくよかな顔、目・鼻・口が顔の中央に寄った幼い顔立ちが特徴。少し暗いイメージを持たれるが、役者が舞台で身に着けると明るい表情に見えるという。

 同じく使用予定の「大べし見(み)」は、固く閉じた口とは反対に目が大きく見開いている表情が特徴。肌色も明るく、ふくよかで親しみが持てる顔が高い人気。面裏にはヒョウタン型の焼き印「天下一大和」が押されている。同焼き印は「大べし見」を含めて全国で2面のみで見られ、非常に珍しいという。

 また、面を保管する際に使われた面箱や、国内でもトップクラスの能面作家・見市泰男さんが提供した能面の制作道具なども展示されており、来場者は能や狂言に関わるさまざまな道具に興味津々だった。

 企画展は10月15日まで開催。観覧料は一般500円、高大生300円、中学生以下は無料。マイナンバーカードを提示すると100円割引き。

◇29日に能楽講座

 「のべおか天下一薪能」の本番を前に、今回の演目について学ぶ「能楽講座」は29日午後7時から、延岡市東本小路の延岡市民協働まちづくりセンターで開かれる。参加無料。

 延岡市歴史・文化都市推進課調査・研究・普及係長の増田豪さんが「延岡藩における神事能〜内藤家旧蔵の能狂言面伝来の過程をめぐって」と題して話す。

 参加希望者は事前にNPO法人のべおか天下一市民交流機構(箟箍33・0248)、メール(tengaichi@dolphin.ocn.ne.jp)に申し込む。

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