本紙掲載日:2023-09-23
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約10年ぶり・水車復活−山里の風景に調和

直径3・8メートルの総ヒノキづくり

 美郷町北郷宇納間にある西野々農村公園の水車小屋が、今月初めにリニューアルされ、約10年にわたって動きを止めていた木製の水車が復活した。山里の風景と水車のリズムがマッチして、訪れる人たちに喜ばれている。

 町が推進する地区別定住戦略会議の中原地区別定住戦略会議(中原ちくせん)実行委員会(鎌倉初文委員長)が、地域の人や町外から訪れる人たちの憩いの場として進めている公園整備の一環。

 中原ちくせんは昨年、「ホタルの里づくり」としてホタルの幼虫や餌となるカワニナの放流を実施したほか、今年6月にはアジサイ約200本を植栽するなど整備を進めてきた。

 西野々農村公園は、旧北郷村時代の1996年に宇納間地蔵尊隣の山間に造成された。約1万2千平方メートルの広大な敷地内には、ソメイヨシノやウメ、ツツジなど大小合わせて約30種類の樹木が植えられ、四季折々の花々が楽しめる。

 一方で公園と同時に完成した水車は2012年ごろ、老朽化で壊れていたという。「何とか復活を」と願う中原ちくせんメンバーは、公園内を流れる赤谷川の溝さらいや草刈りをして周辺の環境を整備した。

 町は、復活を望む「ちくせん」からの要望に応えて、今年度に予算を措置。

 地元の松永工務店(松永健一代表)が6月から約2カ月かけて新たに整備した。

 水車は直径3・8メートルの総ヒノキづくりで、これまでの水車より約1メートル大きくなった。軸は金属製で、上流を流れる赤谷川から水を引き、といを通じて上から流れ落ちる水が動力となる。

 また、隣の水車小屋には、水車の回転を動力に変える仕組みがあり、製粉に使える石臼や脱穀に使う唐臼も据えられている。

 水車が復活したことで、地元の子どもたちやお年寄りが訪れる機会も増えており、鎌倉委員長は「水車は以前のものより大きい立派なものになりました。

 町の理解も得て、来年度には、子どもが遊べる遊具と河川プール、訪れた人が休憩できるような施設を整備することを計画しています。地域の人はもとより、町内外から訪れた人たちが笑顔になれる場所にしていければ」と期待を寄せていた。

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