本紙掲載日:2023-09-23
(7面)

女性の守り神「虎御前」−秋のご開帳

虎御前社を訪れた参拝者(23日午前、延岡市別府町)
虎御前神社で祭壇に手を合わせる参拝者(23日午前、同市大貫町)

23日・安産を祈願、出産のお礼参りに

 子授けや安産の神様として信仰を集める虎御前のご開帳が秋分の日の23日、延岡市大貫町の虎御前神社と別府町の虎御前社などで行われた。春秋の年2回、彼岸の中日に行われる伝統の祭り。それぞれの境内には早朝から、多くの人が安産祈願や出産のお礼参りに訪れた。

◆「青葉会」がおもてなし−別府町

 別府町の虎御前社では、地元の高齢者クラブ「青葉会」が午前7時からおもてなし。会員10人が掃除や設営、駐車案内をするなどして参拝者を迎えた。

 訪れた人たちはそれぞれ線香を手向け、手を合わせて安産を願ったり、出産を終えたことを報告したりして感謝を伝えた。境内では青葉会から紅白餅やお菓子が配られたほか、安産祈願者には無事の出産や丈夫な子どもの誕生に御利益があるとされる麻緒(麻で作られたひも)やろうそくも手渡された。

 生後1か月半の長男・那央ちゃんを抱いて参拝した同市伊達町の鈴木達矢さん(31)葵さん(30)夫妻は「御利益を頂いて元気な男の子を授かることができました。とにかく健康に、友達がいっぱいできる子に育ってくれれば」と目を細めていた。

◆柳田さん家族から紅白餅など・大貫町

 大貫町の虎御前神社では、近くに住む柳田太宏(たかひろ)さん(53)方が朝から安産祈願、無事出産を終えたお礼参りの参拝に訪れた夫婦や家族連れを迎えた。

 太宏さんの妻・吉子さんと姉・和美(むつみ)さんは、出産前の参拝者のために安産祈願の「麻緒」と、火が消えるまでにお産が終わるようにと願いを込めた「短いろうそく」を用意。産気づいてから火を灯すよう説明していた。

 11月に出産予定の娘さんに代わって参拝した佐藤昭子さん(61)は「次女の安産祈願と、3月に無事出産した長女のお礼参りを兼ねて来ました。立て続けなので驚いています」と幸せそうな表情。

 お礼参りに来た宮本千春さん(28)と母・甲斐敬子さん(61)は「年2回3月、9月とほぼ毎回来ています。今回は、おかげさまで健やかに育っていますと報告に来ました」と話し、一緒に参拝した杏実ちゃん(1)と悠(はる)ちゃん(0)は境内で「かわいい」と〃アイドル〃になっていた。

 柳田さんらは、参拝者に紅白餅と赤飯を手渡しながら「ぜひまたお参りに来てください」と笑顔で見送っていた。

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