本紙掲載日:2023-10-03
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宮崎県農業協同組合−来年4月設立へ

県内13JAの臨時総会で可決

 県内13JAなどを合併、統合して「宮崎県農業協同組合」とする県域JAの可否を決める臨時総会は2日、各地で開かれ、正組合員の3分の2以上の賛成により可決された。JA宮崎中央会の栗原俊朗会長らが同日、宮崎市のJA・AZMホールで会見し、発表した。

 県域JA設立推進協議会などによると、正組合員数4万8748人(同日時点)のうち、3万7011人が書面での投票などで賛否の意思を示した。集計の結果、その約95%が賛成。来年4月1日の設立が決まった。

◆三連合会の統合による県域JAは初

 JA宮崎中央会とJA宮崎信連、JA宮崎経済連の三連合会などは設立後、1年以内に統合。三連合会の統合による県域JAは全国初となる。2026年までの3年間は現在のJAを「地区本部」とし、27年の本格的な運営に向けた移行、準備を進める。

 合併、統合することで物流体制構築による仕入れコストや販売経費の削減、営農施設の効率的な運用などが実現し、組合員の所得向上や支援機能、財務基盤の強化などが図られる見込み。また、13JAの合併で農畜産物の販売高は全国1位となる。

◇持続的な農業振興へ

 正組合員数は毎年減少し、21年1月時点で65歳以上は7割を占める。栗原会長は持続的な農業振興や営農活動に対する危機感を示した上で「何とか立て直し、もう一度、食料の生産県だと打ち出していきたい」と抱負を述べた。

 県域JAについては、17年に構想が検討され始めた。翌年のJA県大会で着手する議案が承認、20年1月に草案が作成された。今年8月以降は設立に向け、正組合員を対象にした説明会が実施されていた。


◆県北3JAも賛成多数「将来見据えた体制へ」−JA延岡

 県北の3JA(JA高千穂地区、JA延岡、JA日向)でも、この日の同時刻に開催された合併臨時総会で県域JA設立に関する議案を承認。来年4月の「宮崎県農業協同組合」設立に向けて舵(かじ)を切った。

 このうちJA延岡(楠田富雄組合長)の合併臨時総会は延岡総合文化センターで行われ、々臺擦よび合併契約書の承認合併経営計画書の承認9臺蚕猗積立金の設定等ぬ榲積立金の残高移管――の4議案などを審議。いずれの議案も賛成多数で承認された。

 JA延岡では今年5月に総代への説明会を行った後、6月から9月にかけて市内80カ所以上で5019人の正組合員に対しての説明会を実施。県域JA構想についての理解と周知を進めてきた。

 あいさつに立った楠田組合長は「農業を取り巻く環境、地域経済の衰退、JAの経営環境の現状から、将来を見据えてJAと連合会の枠組みを超えた大局的観点から体制を整えるべき時」とし「農業振興に向けた取り組みや営農支援機能の維持・強化の実現を目指す県域JAという構想に理解をいただき、誠にありがとうございました」と感謝を述べた。

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