本紙掲載日:2023-10-05
(3面)

「ひなたWOMAN」(111)

伊福接骨院(延岡市)・鳥入玲子さん

◆数少ない女性柔整師

 中川原町で父親が経営していた接骨院を引き継いで7年。数少ない女性柔道整復師として骨折や捻挫、打撲、などの治療に当たる。

 「お年寄りも来てくださるし、柔道やサッカーなどをしている中・高校生も多いんですよ。時には恋愛相談に乗ったり、弁当を作ってあげたりもします。皆さんが『レイコさん』と呼んでくれるのがうれしいですね」

 施術室上階にある柔道場の館長もしていた父親の影響で、小さい頃から柔道に親しんだ。旭小、旭中を経て、五輪で2度の金メダルに輝いた谷(旧姓田村)亮子さんと同じ福岡の高校へ。将来何をすべきか悩む中で、ひざや腰のけがで苦しんだ経験が転機となった。

 「楽に体を動かせることのありがたさを身に染みて感じました。『困っている人の手助けをしたい』との思いが強くなり、父と同じ道に進むことに決めました」

 大阪の専門学校に通い、2012年に国家資格を取得。2年後、全国高校総体柔道60キロ級で日本一になったことがある孝仁さん(42)=宮崎市出身=と結婚。そのまま大阪で開業したが、見知らぬ土地での子育てに不安を覚え、2人目が生まれたのを機に帰郷した。

 「子ども4人を抱えながらここまでこれたのも、家族や周りの方々のおかげ。柔道の大会で救護の手伝いをするときは、顔見知りのお母さんたちが面倒を見てくれました。夫も柔道に関わる傍らで高齢の患者さんの送迎、9歳のお兄ちゃん、7歳のお姉ちゃんも1歳の子の世話に頑張ってくれています」

 治療が夜中に及ぶこともある仕事一筋の生活。病気などする暇がないという。

 「患者さんの『良くなったよ。ありがとう』が一番の励みです。これからも温かみのある接骨院づくりに努めたいと思います」

その他の記事/過去の記事

印刷には対応しておりません。
当サイトは、閲覧のみになります。

写真の販売:https://stg-yukan-daily.epitas.com/provider/
写真販売所ガイド:https://yukan-daily.co.jp/photo-guide/page/