本紙掲載日:2023-10-05
(6面)

薪能特集−第26回のべおか天下一薪能

7日、延岡城址二の丸広場

◆能「井筒」、狂言「千鳥」など−地元の子どもたちも出演

 「第26回のべおか天下一薪能(てんがいちたきぎのう)」が7日午後5時半から、延岡市本小路の延岡城址(し)二の丸広場で行われる。開場は同3時。雨天時は同市東浜砂町の延岡総合文化センター大ホールで午後5時半開演、開場は同4時。NPO法人のべおか天下一市民交流機構(松下宏理事長)、市、市教育委員会主催。

 演目は、同薪能では2006年以来2度目となる能「井筒(いづつ)」、同年以来3度目となる能「鞍馬天狗(くらまてんぐ)」、05年以来2度目となる狂言「千鳥(ちどり)」。出演は観世流能楽師シテ方の片山九郎右衛門さん、大蔵流狂言師の茂山千五郎さんら。

 「鞍馬天狗」は満開の桜に彩られた鞍馬山を舞台に、後に源義経となる牛若丸が大天狗に出会い、兵法を伝授してもらう曲。威厳ある大天狗の、牛若丸へのほのかな愛も見どころ。

 「井筒」は帰らぬ夫(在原業平=ありわらのなりひら=)を待ち続ける妻(紀有常=きのありつね=の娘)の霊を描いた曲で、世阿弥の夢幻能の傑作。秋の夜に夫の形見を着て井戸をのぞき、自らの姿を映しながら昔を回想する。

 「千鳥」は家のあるじから酒を買ってくるように命じられた太郎冠者が、酒屋から「前回の支払いが終わらなければ酒は渡せない」と言われ、何とか酒屋から酒をかっぱらおうとする曲。酒屋の気を引くため、あの手この手で奮闘する演技が見どころ。

 公演には例年、同交流機構が取り組む「こども能楽プロジェクト」の子どもたちが参加。今回、子ども14人が出演する。

 チケットは指定SS席1万円、指定S席8000円。自由A席は完売した。ファクス、メールでの申し込みのほか、延岡総合文化センター(指定S席)と延岡城・内藤記念博物館(指定SS席と指定S席)の窓口で扱っている。

 詳細は同交流機構(箟箍33・0248)まで。


◆天下一薪能写真展−これまでの名場面振り返る−9日まで、延岡市民協働まちづくりセンター

 過去の公演の写真を展示する関連イベント「振り返るのべおか天下一薪能展」が9日まで、延岡市東本小路の市民協働まちづくりセンター1階多目的フロアで開かれている。

 第1回の公演から薪能の撮影を担当している同市在住のカメラマン吉田茂隆さんが公式記録として撮影した能と狂言の写真53枚を展示。第1回から第25回までに上演された演目の名場面を一遍に楽しめる。

 赤毛をなびかせる大天狗(てんぐ)の迫力ある姿や、花見の稚児役を堂々と演じる子どもたちを記録した「鞍馬(くらま)天狗」(第10回)、夫の形見を身にまとった女の霊が井戸の周りで夫への愛情を込めて舞う「井筒(いづつ)」(同)の写真など、今年の演目となっている過去の上演写真もある。

 入場無料。開場は午前9時〜午後5時。

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