本紙掲載日:2023-10-09
(8面)

学力・学習の課題共有

延岡市総合教育会議

全国調査の結果報告も−延岡市総合教育会議

 「2023年度延岡市総合教育会議」は9月27日、市役所であり、読谷山洋司市長ら三役と澤野幸司教育長以下、市教育委員が、課題を共有しながら意見を交わした。

 最初に澤野教育長が、小中学校で実施された今年度の全国学力・学習状況調査の結果を報告。県内の児童生徒は、将来の夢や目標などの意識調査で肯定的な回答が全国平均よりも高かった一方、学習に向き合う意識は低かったと説明した。

 教科ごとの平均正答率は小学校は全国水準とほぼ変わらないが、中学校になると総じて下回り、正答率が高い子どもと低い子どもの差が大きいと指摘。中学生になって勉強についていけなくなり、学びの差が広がる傾向があるとして、個別に状況を見て学習支援に当たるよう指導していると語った。

 その上で、すべての児童生徒にパソコン端末を持たせ、ICT(情報通信技術)を活用して取り組むGIGA(ギガ)スクール構想では、複数の子どもと教員でコミュニケーションを取ることが可能で、不登校の子どもとも一緒に学習できたり、中位―下位の学力に対応した教材も充実していると説明。ただ、それでもついていけない子どもがいる現状を伝えた。

 これに対し委員からは、1人の教員が受け持つ子どもの数が多すぎるとして「補助員が2人くらいいてもいいのでは」。

 中学校は一つのカリキュラムにかける時間がかなり制限されるため、「もっとかみ砕いて教える基礎の部分を広げるべき」。

 ICTを使いこなせない子どももいて、「直接的なコミュニケーションを一番大切にすべき」――などの意見が出た。

 今後の学校の在り方については、地域や民間組織、他校などと連携し、子どもたちがより広い視点で体験的に学べるコミュニティスクールを中心に協議。おおむね、学校の裁量や資金面を拡充し、より開かれた活動を期待する声が多かった。

 このうち、水泳指導者の久世由美子委員は、市営西階プールを温水プールに改修すれば市内の学校が年間いつでも水泳授業などで利用できるようになると提案。隣接地に建設が進んでいる多目的屋内施設は防災施設でもあり、プールの水を大規模災害時などに活用できると訴えた。

 読谷山市長は、子ども・子育て政策では出産や育児だけでなく教育にも力を入れ、予算付けも最大限努力していると強調。「せっかくいい意見を頂いたので、必ず次につなげるよう頑張りたい」と力を込めた。

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