本紙掲載日:2023-10-10
(3面)

「D団地」で意見一致

延岡市南部地域子育て支援施設に求める役割などについて意見を交わす参加者ら

南部地域子育て支援施設建設で−延岡市

 延岡市が同市南部地域(伊形、一ケ岡、土々呂、名水小学校区)に建設を計画している子育て支援施設の設置場所や機能、規模などについて意見を募るワークショップが1日、市役所で開かれ、同地域の住民ら約40人が参加した。

 市によると、市南部地域には子育て支援センターや児童館がなく、市は関係機関・団体、地域の保護者代表、有識者による建設検討委員会を立ち上げ、幅広く親子が利用できる新たな拠点の整備を目指している。

 建設地は、施設規模を考慮し、現在進めている一ケ岡地区の市営住宅集約化事業で生じる跡地4カ所を候補地として提示。8月の第1回検討委では、同地区が国から脱炭素先行地域の指定を受けて進めている取り組みや、各学校との位置関係、津波など災害のリスクも考慮し、一ケ岡D団地(南一ケ岡3丁目)を適地と判断した。

 ワークショップでは、市の担当者がこれまでの経緯や、県外の先進的な子育て支援施設の事例を紹介した上で、建設場所も含めて改めて協議。参加者は6グループに分かれて意見を交わした結果、検討委と同じD団地がふさわしいとの考えでほぼ一致した。

 地域の現状としては、生活が苦しくても相談できずに孤立している母子家庭が潜在的に多いとの指摘などがあり、子どもたちが気軽に利用できる施設にするため、子ども食堂の充実や遠方校区の送迎、スタッフ常駐、障害児・不登校生の居場所づくり、病後児保育、個室設置など相談しやすい環境づくりを求める声が寄せられた。

 また、幅広い年代の子どもがのびのびと過ごせるよう、雨でも遊べる造りをはじめ、プールやアスレチック遊具の設置、猛暑でも遊べる室内空間、見渡せる広々とした平屋造り、見守りできる飲食スペースなど、設備の充実も積極的に提案。発達や育児などの専門家を望む声も複数あった。

 各グループの意見を聞いた読谷山洋司市長は、困窮世帯に食料を届ける支援や学習支援ボランティアの活動の補助、市役所のなんでも総合相談センターでは発達などに関する相談も専門機関につなぐなど確実に対応しているとし、積極的な利用を期待。「皆さんの意見をしっかりと反映したい」と述べた。

 進行役を務めた検討委の松原由美委員長(九州保健福祉大学社会福祉学部講師)は、「皆さんの労力を決して無駄にしない」と検討委で意見を尊重していく考えを示し、「立派というよりも心温まる施設にできれば」と話していた。

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