本紙掲載日:2023-10-14
(3面)

高齢者の暮らしを守る−日之影町

ビデオ通話機器を介してオペレーターと話す山室シゲ子さん(10日)

見守りシステム、町内初導入

 日之影町が2019年から実証を進めていた「高齢者見守りシステム」が10日、同町岩井川の山室シゲ子さん(84)宅に初めて導入された。システムを提供するE&M(岩城範彦会長、本社・東京都)の荒木博システム企画支援担当課長(58)は「高齢者の安心安全な暮らしを守る一助になれば」としている。

 E&Mは、ICT(情報通信技術)による独居高齢者の見守りサービスなどを展開するソフトウエア企業。19年に同町と連携協定を交わし、社会福祉協議会が取り組む独居高齢者の見守り事業やサロンといった地域福祉に技術を提供してきた。

 このシステムで採用されているE&M独自のサービス「you見守り」は、家屋内に設置した人感センサーと緊急用呼び出しボタンで、安心とプライバシーを両立。異変を検知するとコールセンターが通知を受信し、サポートメンバーへの迅速な連絡などにより適切な対応を可能にする。

 また、通信・ビデオ通話機器を介してのコールセンターオペレーターによる週1回の「お伺いコール」や、友人知人との近況報告にも活用できる。今後は買い物代行サービスも検討しているという。

 利用料金は町が補助することで、生計中心者の前年度収入額が120万円以下の場合は無料、120万1円〜240万円は月額500円、240万1円以上は同1000円で導入できる。

 山室さんは、数年前に夫を亡くしてから1人暮らし。今年5月ごろ、体調を崩して家で動けなくなったところを巡回中の町職員に救護された経験から、県外の長女と相談して導入を決めた。「足腰も弱り、不安を感じることもありますが、このシステムがあれば心強いですね」と話している。

 町によると、町内の1人暮らしの高齢世帯数は65歳以上が376世帯、75歳以上が271世帯(今年5月末現在)。今年度は約10世帯分の導入を想定して予算を組んでおり、今月中は新たに2世帯へ導入する見込みという。

 問い合わせは町役場町民福祉課地域福祉係(籠之影87・3802)または町社会福祉協議会(籠之影87・2680)まで。

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