本紙掲載日:2023-10-16
(3面)

「イモテラス」稼働−霧島さつまいも種苗生産センター

力強く健全な苗を生産農家に供給

 霧島酒造(江夏順行社長、都城市)の霧島さつまいも種苗生産センター「イモテラス」が9月25日、都城市志比田町に完成し、稼働開始した。今月13日にはオープニングセレモニーが同所であった。病害リスクの少ないサツマイモ苗を育成し、生産農家に供給する。

 イモテラスは、面積1万7565平方メートルの敷地に、延べ床面1238平方メートルの鉄骨造り2階建ての管理研究棟と、8704平方メートルの強化プラスチック製のハウスがあり、総工費約14億円。サツマイモ基腐病などの影響を受ける農家を守るために建設した。

 研究棟では安定確保と新たな価値創出を目指して品種改良などを行う。ハウスでは、菌やウイルスが出ない茎頂から培養した苗を育成。農薬散布といった作業の自動、省力化を実現しており、本年度末までに約250万本の生産を見込む。

 セレモニーで江夏社長は「病害発生リスクの少ない健全な苗を供給し、基腐病の拡大を根本から防ぐ。それが最大のミッション。サツマイモ作りから基礎を固め、農家の皆さんと共に持続可能な焼酎造りを目指す」と決意を述べた。

 同社によると、転作や離農で昨年の登録生産農家は2013年比約45%減の約1200軒、作付面積は同比約17%減の約3000ヘクタール。こうした状況に加え、基腐病の流行により、同社の昨年の確保量は2年連続で計画を下回ったという。

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