本紙掲載日:2023-10-18
(3面)

地域のつながりの拠点に

サウナやカフェなど4店舗−大貫診療所の敷地内に完成

◆19日グランドオープン

 延岡市大貫町の医療法人・あつきこころ大貫診療所(榎本雄介理事長・院長)の敷地内に建設が進められていた〃地域の集いの拠点〃となる施設が完成し、14日、内覧会が行われた。貸し切り形式のサウナと手打ちそばの店、カフェ、フラワーショップが入る2階建ての建物で、コロナ禍で薄れた地域の絆を取り戻し、患者や地域の人が気軽に集える場所を提供しようと、榎本院長が個人で建設した。19日のグランドオープンを前に、大勢の見学者が訪れ、新たなコミュニティースペースの誕生に期待を膨らませた。

 2階の「風サウナ」は延岡初の貸し切り形式で、熱した石にアロマオイルなどを掛けるロウリュにはハーブオイルを使う。また、冷水風呂は常温水、冷水、地下水の3種類があり、サウナのために新たに井戸を掘ったという。汗を流した後の「整いスペース」は医療用ベッドの形を参考にしており、ゆるやかなカーブを描く木製のベンチでくつろぐことができる。

 1階は「手打ち蕎麦やませみ」、カフェ「KawasemiCOFFEE」、フラワーショップ「AtelierMaki」が同居する。高千穂町のそば店で修業した延岡市の山下政宏さん(41)が独立を考えていた時に榎本院長(49)と出会い、「地域の絆を取り戻す〃つながりの拠点〃として、また、どんな人も気軽に立ち寄れる場所をつくりたい」という趣旨に共感。ソバとカフェの店を構えることになった。高千穂産有機栽培のソバを使い、コーヒーは自家焙煎の豆を使う(そば店は当面、ランチのみの営業予定)。

 フラワーショップは山下さんの妻で、野地町でフラワーアトリエを営む麻岐さん(40)が経営。季節の草花のほかドライフラワー、有機栽培の米や野菜なども販売する。

 さらに診療所近くには、新たに38台分の駐車場を設けた。病院と連携する形の一大事業となったが、榎本院長の背中を押したのは、元サッカー日本代表の中田英寿氏の言葉だったという。

 榎本院長は「昨年、商工会青年部(YEG)創立10周年記念イベントにお招きした中田さんの講演を聞きました。『楽しいことをやりましょう』のひと言に、悶々(もんもん)としていた気持ちが前向きになり、思い切ることができました。想像していたより大きなものになりましたが、お年寄りや病気の方、地域の皆さんが家に閉じこもらず、気軽に訪れてくれる場所になることを願っています」と期待を込めた。

 19日は午前8時からテープカットなどオープニングイベントを行う。また11月3日は午前10時からオープン記念イベントがあり、キッチンカーの来場、メダカすくい、ドクターフィッシュ体験、ピアノ演奏などで完成を祝う。

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