本紙掲載日:2023-10-26
(3面)

興梠祐玖さん(五ケ瀬中等教育)頂点

】第39回全日本グラススキー選手権ジュニア男子の部・大回転種目で優勝した興梠祐玖さん

全日本グラススキー選手権ジュニア男子の部

◆国内最大級の大会-大回転で優勝

 五ケ瀬町の県立五ケ瀬中等教育学校3年、興梠祐玖さん(15)=宮崎レーシング=が、「第39回全日本グラススキー選手権」ジュニア男子の部・大回転種目で優勝した。徳島県美馬市の中尾山高原グラススキー場で8日に開催。「とにかく緊張したけど、国内最大級の大会で優勝できてうれしい」と喜んでいる。

 グラススキーは、キャタピラ状の専用用具を使い草の斜面を滑走するスポーツ。技術や基本操作はスノースキーと同じだが、草の上を滑るという特性上、横滑りや急停止ができず、より安定した外足荷重とスムーズな荷重移動が求められる。

 高千穂町出身で小学校までサッカー部だった興梠さんは、進学を機に、以前から関心のあったスキー部に入部。

 1年目のオフシーズンに「スノースキーの動きの参考になるから」と先輩に誘われ、グラススキーに挑戦。「草の上を滑る疾走感」に魅入られた。

 平日は、スキー部員13人と一緒に体幹トレーニングやインラインスケートで素地を養い、休日になると国富町の所属クラブへ通う。

 代表の井上功コーチをはじめ、世界的グラススキーヤーでもある飛鳥井匠哉コーチらに師事し、学業と並行しながら技術を磨いてきた。

 興梠さんが優勝した大回転種目は、旗門の幅や滑走距離などで分類される「回転」と「スーパー大回転」の中間種目で、オールマイティーな技術が求められる。ジュニア男子の部には14人が出場し、3本中上位2本の合計タイムで競った。

 1本目を21秒79のトップで滑り、2本目。「緊張と勝敗への不安が入り交じる心境だった」。29秒25と崩れた。

 勝負の3本目は「アナウンスが聞こえないくらい集中していた」。同門のライバルに0・01秒差でトップを譲るも、2番目につける21秒60と立て直し、計43秒39で同種目における初優勝を果たした。

 「緊張すると実力が発揮できず、気合を入れると肩に力が入り過ぎてしまう。安定したタイムで滑れるよう、メンタル面を鍛えたい」と省み、「もっと滑りを良くして、世界と戦える選手になりたい」と力を込めた。

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