本紙掲載日:2023-10-27
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延岡市文化功労者決まる−学芸文化部門

水津寿和子さん、成迫平五郎さん

 延岡市は26日、今年度の市文化功労者を発表した。学芸文化部門は延岡の語り部萌(もえ)ぎの会顧問の水津寿和子さん(94)=富美山町=、学芸文化部門は環境省希少野生動植物種保存推進委員の成迫平五郎さん(80)=平原町=に決定した。表彰式は11月7日午前11時から、カルチャープラザのべおか3階のハーモニーホールで行われる。

 水津さんは、地域に愛着を持つことなどを目的に2006年、延岡の語り部萌ぎの会に入会。図書館や学校、公民館などで県北の民話や伝説などを語り伝えてきた。

 14〜19年度の6年間は会長も務め、毎月欠かさず手書きの会報を発行するなどして会員に慕われた。「みやざきふるさとの民話本」「ふるさとの民話方言集」の発刊にも携わるなど、文字で民話を後世に残すことにも尽力。みやざき文学賞の随筆部門でも複数回入選している。

 また、毎年8月には、東京大空襲で被災した自身の戦争体験などを語り、戦争を知らない世代に戦争の悲惨さを伝えることに尽力している。

 成迫さんは、聖心ウルスラ学園高校で教べんを執りながら、県北を中心に動植物の分布調査や保護活動に尽力。環境省希少野生動植物種保存推進員や県野生動植物保護監視員などを務め、県のレッドデータリストなど、自然環境保全に関する基礎資料作成に携わってきた。

 北川湿原では、地元団体などと外来植物の駆除活動に取り組み、価値の高い湿原の保全に尽力。県カモシカ保護指導委員を30年以上務めたほか、県環境保全アドバイザーとして、豊かな自然環境を後世に残す取り組みにも力を入れている。

 市文化功労者は、市の文化の向上に特に顕著な功績を上げた市内在住の個人を表彰するもの。1950年度から毎年表彰しており、74回目。9月21日に開かれた選考委員会で決定した。

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