本紙掲載日:2023-10-31
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永田紅氏歌集「いま二センチ」受賞

永田紅氏(県提供)

第28回若山牧水賞−10月31日発表

 若山牧水賞運営委員会(委員長・河野知事)は31日、県庁で会見し、第28回若山牧水賞に歌人の永田紅氏(48)=京都市在住=を選んだと発表した。受賞作品は歌集「いま二センチ」(砂子屋書房、今年3月1日発行)。

 永田氏は京都大学高等研究院iCeMS特任助教で、短歌結社「塔」の会員。1997年に「風の昼」で第8回歌壇賞、2001年に歌集「日輪」で歌壇の芥川賞と呼ばれる第45回現代歌人協会賞、13年に京都府文化賞奨励賞を受賞している。

 歌集に「北部キャンパスの日々」などがあり、受賞作品は第5歌集。選考員で歌人の伊藤一彦氏は「確かな表現力を持っている。歌はさっぱりと作られているが、細かい所に神経が行き届いている」などと評した。

◆2月2日に日向受賞記念講演会

 授賞式は来年2月1日午後3時から宮崎市のガーデンテラス宮崎で、祝賀会は同5時半から行われる。永田氏は同2日午前に延岡星雲高校を訪問し、午後は日向市中央公民館で受賞記念講演会を実施する予定。

 賞は、日向市東郷町坪谷に生まれ、日本短歌史に偉大な足跡を残した国民的歌人・若山牧水の業績を顕彰するため、授賞を通して短歌文学の発展に寄与するとともに、心豊かな文化意識の高揚を図ることなどを目的に1996年に創設された。

 対象は、昨年10月1日から今年9月30日までに刊行された歌集などのうち、短歌文学で傑出した功績を挙げた著者。今回はその中から、全国の有力歌人が6歌集に絞り、伊藤氏ら選考委員4人が受賞作品を決めた。

【永田氏コメント】
このたびは、このような栄えある賞を頂きありがとうございます。本当にうれしく存じます。ちょうど、娘の習い事のお迎えに行く途中にお電話を頂き、とても驚きました。おなかの中で「いま二センチ」だった娘は、いまや小学4年生。私も、歌を作り始めて35年がたちました。短歌の中に時間をとどめていける幸せを実感しつつ、これからも歌を作り続けていきたいと思います。

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