本紙掲載日:2023-11-02
(2面)

秋の褒章−県内から11人

県北4人、公共活動で功績

 2023年秋の褒章受章者が、2日付で政府から発表された。県内から11人が受章。県北からは公共活動への貢献をたたえる藍綬褒章に、延岡市消防団分団長の池田博則さん(52)=延岡市北浦町三川内・消防功績=、同じく甲斐明さん(56)=同市大貫町・同=、自然公園指導員の椎葉輝基さん(70)=椎葉村下福良・自然保護功績=、保護司の松崎哲也さん(75)=延岡市無鹿町・更生保護功績=が選ばれた。発令は3日付。4人の功績や喜びの声を紹介する。


◆池田博則さん(52)延岡市北浦町−藍綬褒章=消防功績=
 職務に精励、後進指導も

 延岡市消防団第6支団北浦第3分団長を務める。1989年、高校を卒業後、「入るものだと思っていた」と当然のように入団。34年間、中心的な存在として有事の際や、後進の指導に当たるなど、活躍してきた。

 受章に際し、「まさか、自分でいいのかと思った」と謙遜するが、仕事中であっても、消防団の活動を優先させてくれるなど周りの理解も大きいといい、「地域のみんなの協力とまとまりのある団員、会社や家族のおかげ」と感謝する。

 市の中心部から離れている三川内地区では特に、風水害時の見回りや高齢者の避難支援、火災時の初期消火、行方不明者の捜索など多岐にわたって果たす役割は大きく、地域から頼られる存在。何か起こると、北浦町内の各団がすぐに駆け付ける態勢が整っており、「まとまりが強い」という。
「火事などがないのが一番だが、何かあれば駆け付けることができるようにしたい」



◆甲斐明さん(56)延岡市大貫町−藍綬褒章=消防功績=
「地域のため」積極活動

 延岡市消防団第2支団南方第2分団長を務める。「この受章は自分だけの力でもらえるようなものではない。先輩や団員のおかげで、自分の今の消防活動ができている」と感謝する。

 地域との付き合いをしたいと、1990年に入団。仕事などの理由から活動できずに引け目を感じていた時があったが、活動自体をきついと思ったことはない。

 先輩からは「南方がだらけていたら、延岡の消防団が駄目になる」と常々言われ続け、鍛え上げられてきた。分団長になった現在では「地域のために」と積極的に活動し、その姿は団員の模範となっている。

 また、若い団員の育成にも力を入れ、消防団の在り方や規律の重要性を説き、消防意識をより高めてもらうために厳しく指導。「現役のうちは、消防団の活動目的に含まれる『市民の生命と財産を守る』ことを全うしなければいけない」と力を込める。


◆椎葉輝基さん(70)椎葉村下福良−藍綬褒章=自然保護功績=
 大好きな自然、PRに尽力

 耳川広域森林組合(旧椎葉村森林組合時代から)に勤務する傍ら、2002年から自然公園指導員として環境保護や自然を生かした村のPRに尽くしてきた。

 退職後の現在も農林業をしながら指導員をはじめ、村ツーリズムネットワーク副会長、九州ハイランド観光ガイドインストラクター協会会員など自然保護に関わる団体に所属。継続的かつ積極的に活動している。

 出身地である小崎地区の「馬口(ばくち)岳」は山頂を周遊するルート作成から、チェーンソーでの下刈り、くわを使っての歩道整備まで10人ほどの仲間と一から携わった。「地区外、県外の人も来てくれてうれしかった」と振り返る。

 昨年2月には環境大臣表彰(自然公園関係功労)を受章。「自然や山が好きだったからやってきただけ。大したことはしていない」と謙遜。「とても一人でできる活動ではなかった」と仲間に感謝した。


◆松哲也さん(75)延岡市無鹿町−藍綬褒章=更生保護功績=
 社会復帰、立ち直り支援

 50年ほど前に更生保護の支援に関わる青年ボランティア団体「BBS会」に入会。1994年からは、それまでサポートしてきた保護司の役目を自身が担い、数多くの人の社会復帰や更生の手助けに力を注いでいる。

 延岡地区保護司会では2017年から会長を3期6年務め、今年3月で退任。BBS会入会から半世紀以上にわたる活動について「職務上、(対象者とは)深く関わることはできない。淡々とした関係を心掛けてきたが、感謝の便りなどを頂くとうれしさでいっぱいになった」と振り返る。

 受章の報には「大変栄誉なこと。支えてくれた周囲への感謝の気持ちが大きい」と謙虚な姿勢。保護司の任期は来年8月で満了を迎えるが、「現在は特例でさらに2年間活動できる。特に7月の『社会を明るくする運動』には積極的に関わっていきたい。助言などで後輩の力になれれば」と意気込みはなお盛んだ。

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