本紙掲載日:2023-11-04
(2面)

日本近代登山の父しのぶ

五ケ所高原三秀台ひめゆり公園で行われた「第36回宮崎ウェストン祭」

4年ぶりにウェストン祭−高千穂町

 日本近代登山の父とされる英国人宣教師ウォルター・ウェストン師(1861〜1940年)をしのぶ「第36回宮崎ウェストン祭」が3日、高千穂町の五ケ所高原三秀台ひめゆり公園であった。日英両国旗がたなびく夕刻の秋空の下、登山愛好家や地元住民ら約100人が参列。師の功績をたたえるとともに山岳遭難者を追悼し、山の安全を祈願した。主催は同町、日本山岳会宮崎支部(日高研二支部長)。

 ウェストン師は1888(明治21)年、英国国教会の宣教師として来日。延べ13年間の滞日中、布教活動のかたわらで国内の山を巡った。90年には五ケ所高原から望む祖母山(標高1756メートル)にも登頂している。

 三秀台ひめゆり公園にそびえる記念碑は、1965年の祖母・傾国定公園指定をきっかけに建立され、翌66年に除幕。72年に鐘を取り付けた。ウェストン祭は85年から毎年実施。今年は新型コロナウイルスの影響で4年ぶりに執り行われた。

 式典では、熊本県の高森東学園義務教育学校に通う五ケ所地区出身者4人が献鐘。全員で黙とうをささげた後、地元の田原小学校児童4人と日本山岳会宮崎支部会員2人が碑前に花を供えた。

 その後、甲斐宗之町長が「登山を通して日本の山々や文化を世界に紹介したウェストン師が、日本アルプスより先に、われわれの誇り高き祖母山へ登頂されたことを光栄に思う」。日高支部長が「先人の思いがこもったウェストン祭をさらに盛り上げられるよう、地域の皆さまと一丸で取り組んでいきたい」と式辞。

 来賓あいさつ、詩の朗読に続いて「ウェストン祭の歌」(作詞岡村精一・作曲辻壮一)を合唱し、五ケ所公民館の田上孝生館長による万歳三唱で締めくくった。

 式典後、近くの五ケ所野菜集出荷場で交流会があり、主催した田原地区村おこし推進協議会の吉水寿一会長は「あす(4日)、祖母山に登る方もおられると思う。おいしい料理とお酒で英気を養い、安全に登山に臨んでほしい」と話していた。

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