本紙掲載日:2023-11-08
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結城さん(延岡市)が国交大臣表彰

国土交通大臣表彰を受けた結城さん(延岡市提供)

「ふるさとを残したい」−離島振興70周年功労者

◆島野浦の魅力発信に貢献

 全国離島振興協議会(東京都、会長・野口市太郎長崎県五島市長)は1日、東京都千代田区のグランドアーク半蔵門で、離島振興法制定70周年を記念した功労者表彰式典を開いた。県内からは延岡市島浦町の結城豊廣さん(73)が国土交通大臣表彰を受賞した。

 結城さんは同町出身。東京で学生生活を送って、帰郷後は島野浦島の漁協で定年まで勤めた。

 島の漁協職員は、火災時に住民からの通報を受けて島内放送で流したり、公園や野球場の管理をしたりと業務内容が幅広い。地域振興ビジョンの作成にも携わるなど、行政とさまざまな機会で関わり、関係を築いてきた。

 結城さんが20代後半だった1979(昭和54)年、全国離島青年会議第23期に出席。各地の離島から集った20代約50人で受けた島づくりの会議や研修、交流会で聞いた各地の状況が、その後の活動に影響を与えたという。

 同会議で委嘱を受けた全国離島振興推進員連絡委員会の推進員を現在も務め、44年になる。全国で離島振興に取り組む人たちと情報を共有するとともに、自発的に立ち上げた島の振興を担う団体「島野浦いきいき観光協議会」や「島の浦ツーリズム」の代表として、島の魅力を島外に広く発信してきた。

 また、島の活性化に向けた取り組みや観光PRなどを行う組織「島業推進協議会」や「ひむか遊パークうみウララ推進委員会」で中心的な役割を担い、行政や関係団体などと連携して取り組むなどした。

 漁師らと立ち上げた山の会では、草木に覆われて荒れ果てた山道12キロを整備。春には自生の三ツ葉ツツジが楽しめるなど、島外からも多くの人が訪れる人気のトレッキングコースとなり、2014年には市内初の民泊「遊季」の運営を始めるなど、観光振興に大きな役割を果たしている。

 結城さんは、「若い人たちが私たちにはできないことをやろうとしてくれている。島を維持し、ふるさと島野浦を残していきたい」と力強く話していた。

 結城さんは22日に延岡市役所を訪問し、読谷山洋司市長に受賞報告を行う予定。

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