本紙掲載日:2023-11-10
(3面)

戦時中の様子など解説

「南の風」の常盤さん−土々呂小で戦争体験講話

 延岡市立土々呂小学校(久保田剛史校長、290人)で1日、「戦争体験語り部講話」が開かれた。対象は6年生49人。16、17日に修学旅行で鹿児島県の知覧特攻平和会館を訪れるため、事前学習として行われた。県遺族連合会(関谷忠会長)主催。

 講師は、宮崎市の語り部グループ「南の風」の常盤泰代さん(57)=都城市出身=。避難や疎開時に着用する防空頭巾の実物を示したり、イラストや写真を使いながら、戦時中の日本の様子、学校での教育などを解説した。

 1945年6月29日の延岡大空襲については、体験者の吉田千鶴子さんへのインタビュー映像を上映。その中で吉田さんは「町が焼け野原になっても、日本が負けると思っていなかった」と語っている。

 常盤さんが、吉田さんの発言について、どう考えるかを子どもたちに聞くと、「戦争に勝った過去があったから」「『勝っている』と言う人が多かったから」「負けると兵隊が戦う意味がなくなるから」と答えた。

 常盤さんは「知覧ではいろんなことにアンテナを張って、たくさん吸収するつもりで見学してほしい。ぜひ、兵隊さんたちが家族に宛てて書いた遺書を読んでみて」と子どもたちにアドバイスした。

 甲斐真道(さなみち)さん(12)は「戦争を身近に感じた。『命を惜しむな』という言葉が心に残っていて、普通逆なんじゃないかと思った」と感想。

 藤永大暉さん(12)は「戦争は良くないもので、二度と起こらないでほしい。『人が人じゃなくなる』という話を聞いて、心が限界だったんだなと感じた」と思いを話した。

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