本紙掲載日:2023-11-11
(6面)

11月11日は介護の日−延岡市

タオル体操で体をほぐす参加者(10日、延岡市のヘルストピア延岡)

生活機能の維持・向上を目指して−ケアプリのべおか

 延岡市は65歳以上を対象に地域公共交通を利用した介護予防事業「ケアプリのべおか」を通して、高齢者の生活機能の維持・向上、自立した在宅生活の継続を目指している。

 ケアプリは、介護予防(careprevention=ケア・プリベンション)からきている造語。市民は、市の委託を受けた事業者から運動、栄養、口腔(こうくう)、認知症予防の維持・向上などの方法を学んで無料で介護予防サービスを受けるとともに、通所に地域公共交通を活用。その待ち時間を有効活用し、買い物や通院などに充てることで、生活機能全般の維持向上と介護予防・重度化防止による健康寿命の延伸を図る。

 ケアプリの講座を実施している7会場のうち、同市長浜町のヘルストピア延岡では、事業者のNPO法人ゆめの木(佐藤純子理事長)のスタッフが指導。運動機能向上・改善のための手足の運動やセルフリンパマッサージのほか、外部講師として歯科衛生士や管理栄養士などを招いて専門的な講話も行っている。

 10日は、同館の利用者9人が集まり、握力を測った後に講座がスタート。タオル体操や足つぼマッサージ、ヨガといった日常生活の中でも簡単に実践できるプログラムを取り入れ、スタッフが優しく声掛けをしながら体を動かした。

 渡邊初子さん(91)=同市古川町=は「肩が痛くてこれまで注射とリハビリを受けていたが、腕が上がりにくかった。ケアプリに参加してからは少しずつ腕が上がるようになってきた」。中山和子さん(78)=同市日の出町=は「プールで泳ぐついでに参加していて、毎回ためになる運動になっている。参加することでみんなと仲良くなり、今ではケアプリが楽しみ」。佐藤妙子さん(83)=同市一ケ岡=は「歩く時につえが必要だったが、今では自力で歩くことができている。精神的にも良くなり、以前は行かなかった買い物にも行くようになった」。

 スタッフによると、ケアプリの効果は次第に表れ、参加するうちに筋力が付いて握力が倍以上になった人や、見違えるように元気で明るくなった人もいるという。スタッフの一人は「人間は何歳になっても変われる」と話した。

 ケアプリに関する問い合わせは、市健康長寿課(箟箍22・7072)まで。

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