本紙掲載日:2023-11-14
(2面)

電動車いす、安全に利用して

高齢者向けに講習会−高千穂署

 高千穂警察署(川越直海署長)はこのほど、高千穂町河内の下河内コミュニティセンターで電動車いす交通安全講習会を開いた。地元の高齢者ら約15人が参加、正しい操作や安全な乗り方などを学んだ。

 電動車いすは、高齢者向けに製造された三輪または四輪の1人用電動車両。道路交通法上では「車両」ではなく「歩行者」に分類され、原則として歩道を走行することが定められている。

 講習会は、歩行者扱いのモビリティに付き、購入時の動作説明程度しか教わる機会がない電動車いすを安全に活用してもらおうと企画。同署管内では2回目の実施となった。

 この日は、視察に訪れた川越署長が「安全で便利な乗り物だが、一歩間違うと大きな事故にもつながる。しっかりと勉強していただきたい」とあいさつ。同署地域交通課の署員が交通安全や防犯に関する講話を行った。

 の後、「セニアカー」の商標で電動車いすを取り扱うスズキ自販宮崎福祉車両課の梶原幹隆係長が、ロープを張った特設コースで実技指導。危険な傾斜角度や脱輪を防ぐ走行法などを伝えた。

 同署によると、県内での電動車いす関連の人身事故は2021年以降、年間1件ずつ発生。管内では22年に2件、23年に1件の物損事故が起きている

(いずれも今年9月末時点)。

 参加した興梠縒子さん(83)=同町田原=は「電動車いすに乗り始めて分かったことだが、田原地区は狭い道や見通しの悪いカーブが多く、危険を感じることもある。自分の身を守るためにも、学んだ内容をしっかり生かしたい」と感想。

 同署地域交通課の山下肇課長(42)は「電動車いすに乗られる方が増えてきているので、このような機会を通じて交通マナーや交通ルールを覚え、事故に遭わないように注意してほしい」と話した。

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