本紙掲載日:2023-11-17
(3面)

良い技術ではなく使われる技術を

旭化成柔道部の吉田優也監督を招いて開講したデザインスクール

デザインスクール開講−延岡

 延岡こども未来創造機構(代表理事・読谷山洋司延岡市長)が中高生向けに提供する新たな教育プログラム「Design(デザイン)スクール」が11日、延岡市幸町のワイワイプレイラボで開講。初回は旭化成柔道部の吉田優也監督を迎え、国際社会での日本の立ち位置などについて考えた。

 同プログラムは市、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)研究所プラットフォームと東京学芸大学教育インキュベーションセンターの協力で運営。市内の中学校などで導入されている「論理コミュニケーション教育」を発展させた学びで、利用者の視点に立った本質的な課題解決の思考法を身に付ける。

 この日は慶應義塾大学大学院特任准教授の梅嶋真樹氏が、吉田監督と対談する形式で進行。ともに世界を舞台に活躍する立場から、日本の成長力はすでに欧米との比較はおろか、アジアでも上位にはないことが紹介された。

 吉田監督は、柔道でさえも日本より海外の方が盛んで、フランスでは自分たちの国技と思っている国民も多いと報告。柔道の国際ルールについても日本の影響力は弱まって年々変更され、選手もルールや自分の体形などに合わせて「勝つ柔道」を研究していると話した。

 これらを踏まえ梅嶋氏は、世界で必要とされているのが「良い技術ではなく使われる技術」だと強調。国際競争の中ではルールや技術をつくっていける者こそ生き抜いていけるとして、そのための理論に裏付けされた「デザイン教育」がいかに重要視されているかを訴えた。

 デザインスクールは来年3月まで全12回開催される。自分の意見をデザインする技法や思考法、最先端の分野で活用されているデザイン教育の事例などを学ぶという。

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