本紙掲載日:2023-11-18
(4面)

九州地方発明表彰で受賞−興電舎

九州地方発明表彰で九州オープンイノベーション会長賞を受賞した興電舎の甲斐稔康社長(右)と長谷良秀技術顧問(提供写真)

九州オープンイノベーション会長賞−励磁突入電流を抑制

 延岡市浜町の興電舎(甲斐稔康社長)が、自社開発技術を使った変圧器励磁突入電流抑制装置「Inrush―Limiter(インラッシュリミッター)T1」で2023年度九州地方発明表彰(発明協会主催)の九州オープンイノベーション会長賞を受賞した。

 地方発明表彰は1921年、発明の奨励・育成、科学技術の向上と地域産業振興への寄与を目的に開始。全国を8ブロックに分けて優れた成果を挙げた技術者や研究開発者を顕彰している。

 電力網に接続される変圧器への課電(電圧を加える)時に発生する励磁突入電流は、瞬時電圧低下などさまざまな問題を引き起こすことがある。インラッシュリミッターT1は、系統電源間に接続された遮断器を最適なタイミングで投入制御することで同電流を抑制。従来の抑制装置から大きく性能を引き上げたほか高コスト等の問題点も解消し、コンパクト化、全自動化、メンテナンスフリーを実現している。

 甲斐社長は今月2日、福岡県内で行われた表彰式に長谷良秀技術顧問とともに出席。「『インラッシュリミッターT1』の受賞は私たちの継続的な努力と情熱の証であり、誇りに思う。開発過程で多くの困難があったが、社員関係者一丸となって成果を収めることができた。今後も技術革新と持続的な改善に注力し、社会への貢献を続けていく」と喜びを語った。

 興電舎は野口遵顕彰会創設の野口賞においても、同装置の開発で2011年に奨励賞、同じく実証試験と商品化を加えた研究で21年に特別賞を受賞しており、延岡発のニッチトップとして高く評価されている。

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