本紙掲載日:2023-11-20
(8面)

〃薄幸の歌人〃をしのぶ

小野葉桜を顕彰、歌碑に献酒・美郷町西郷

 美郷町西郷出身の歌人小野葉桜を顕彰する「第35回葉桜まつり」がこのほど、同町の西郷ニューホープセンターであった。地元の顕彰会員や町職員ら約100人が出席し、不遇の人生を歩みながらも数々の作品を残した〃薄幸の歌人〃をしのんだ。

 まつりは、小野葉桜の功績やその作品を末永く顕彰し、地方の詩歌の豊かな発展を願って毎年開かれている。

 神事は、「父上の子の百姓にかへらなむ垂り穂の秋のここのふる郷」の歌が刻まれた歌碑前であり、田中秀俊町長らが祭壇に玉串をささげ、献酒した。

 その後、同センターで「葉桜のうたコンサート」が開かれ、糸井美代子さん(延岡市出身)のピアノ伴奏で、ソプラノ歌手東由子さん(都城市出身)が小野葉桜歌謡集から「ふるさとの母を訪ねて」「秋草に寝て」などを披露。葉桜の短歌を歌い継ぐ地元のコーラスグループ「コールチェリーナ」も加わり、短歌が織りなす美しい旋律に聞き入っていた。

 この日は、町が募集した第35回葉桜短歌賞の入賞者表彰式もあり、一般の部で最優秀賞に輝いた門田祥子さんらに表彰状を贈った。今回は一般、小学生、中学生、高校生の4部門に県内外から1513首の応募があり、門田さんのほか、小学生の部で平尾総将さん(美郷町立美郷北義務教育学校6年)、中学生の部で白尾弥和さん(小林市立紙屋中学校2年)、高校生の部で川琉愛さん(県立小林高校1年)の作品が最優秀賞に選ばれた。

 式ではまた、短歌賞の選者で歌人伊藤一彦さんによる選評、葉桜と同じく同町西郷出身の歌人藤田世津子さんの生涯と作品も顕彰しようと設立された「第16回藤田世津子賞」の作品発表も併せて行われた。

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