本紙掲載日:2023-11-28
(7面)

古典芸能に親しむ

花柳達真さん(延岡観光大使)が舞妓文化など紹介

 古典芸能を身近に感じてもらおうと、京都から舞妓(まいこ)や芸妓(げいこ)を招いた舞台「京舞妓inNOBEOKA」が10月28日、延岡市の野口遵記念館であった。29日には、市内の旧商家や花街を散策するフォトラリーもあり、楽しみながら伝統芸能に触れた。

 舞妓inNOBEOKA実行委員会(花柳達真実行委員長)主催。達真さん(46)は延岡観光大使。京都で芸妓や舞妓に日本舞踊を指導していることもあり、「京都と延岡をつなぎ、互いに行き来し合える関係ができれば」との願いも込め、日本で受け継がれている上質な文化をエンタメ化した舞台を企画した。

 第1部は、ミスターバニーさんがナビゲーターを務め、舞妓の市きよさん、芸妓の尚絹さん、達真さんが、日常生活や稽古風景などを紹介した。

 芸妓になるための修行が舞妓で、舞妓の5、6年間は住み込みで踊りや三味線、笛、茶道など、朝から晩まで修行すること、舞妓と芸妓の服装や髪形の違いなど、バニーさんの質問に答える形式で、説明した。

 80代の芸妓も、一生懸命稽古していることを紹介した達真さんは、「伝統は型を引き継ぐことよりも、精神を引き継ぐことの方が大変」と強調。

 稽古風景を再現する場面では、市きよさんが「ばんば踊り」に挑戦した。急な宴会が決まることも多く、「短いお稽古で、すぐに本番ということもある」と達真さん。

 座敷は近い距離で踊るため、もともとある踊りをアレンジして振り付けすることも多いという。達真さんの振り付けを見ながら、美しいばんば踊りを仕上げる市きよさんに、会場からは大きな拍手が送られた。

 「お座敷遊び」のコーナーでは、FC延岡AGATAの亀井海凪人主将が登壇。「とらとら」というじゃんけんのような座敷遊びを体験し、会場を盛り上げた。

 第2部は日本舞踊の世界。市きよさん、尚絹さんは座敷で披露する座敷舞4曲を披露。達真さんは、地元出演者の花柳禮桃華さんと「橋弁慶」を舞い、力強い表情、動きで観客を魅了した。

 29日には、達真さんの案内で市内の旧商家、花街を散策するフォトラリーを開催。達真さんの母方の祖父母は、紺屋町の現在、エンシティホテル延岡がある場所で料亭「翠光」を営んでいた。かつて、紺屋町や博労町は花街としてにぎわったといい、達真さんの三味線の最初の師匠は、翠光で働いていた元芸者だったという。

 オリジナルの地図を手に、かつて商家や花街があった周辺を達真さんの案内で回り、ゴール地点の延岡城・内藤記念博物館では、舞妓、芸妓との茶席や撮影会を実施。和服姿の延岡工業高の生徒も参加して茶席の運営を手伝い、参加者は日本の伝統的な文化に触れた。

 達真さんは「多くの人に来ていただき、楽しんでもらえてよかった。違うジャンルとのコラボなど、また何か企画ができれば」と話していた。

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