本紙掲載日:2023-11-29
(1面)

新酒の仕込み本格化−千徳酒造

湯気が立つ蒸し米を冷却器に移す蔵人
40度以上の室内で行われる「こうじ造り」

立ち上る湯気、蔵人ら真剣勝負

 延岡市大瀬町の「千徳酒造」(門田賢士社長)では、師走を前に新酒の仕込みが本格化している。けさは、門田社長や同社の蔵人ら6人が、湯気が立ちこめる作業場で日本酒造りの要である「麹(こうじ)造り」に追われた。

 県産の酒造好適米「はなかぐら」205キロは、巨大な蒸し器で蒸された後、冷却器を経てホースで2階「こうじ室」へ。40度を超える室内では、送られてきた酒米にこうじ菌を振りまく作業などが行われた。

 この米を数日寝かせることでこうじ菌が繁殖。菌の働きにより米のでんぷん質が糖分に変わることで、甘く仕上がるという。こうじが出来上がった後は、蒸し米と水、酵母菌を加えて「酒母(しゅぼ)造り」。12日程度寝かせて酵母を培養させ、再びこうじ、蒸し米、水を加えて「醪(もろみ)」に仕上げる。

 これを3回繰り返し、日をずらしながらタンクで熟成させていく「三段仕込み」の工程を経て、ようやく「搾り」に入れるのだという。

 門田社長は「今年は例年より暖かかったので、水の温度調整に苦労しています。悩んだらその都度、基本に立ち返ることを意識しています」。

 千徳の限定酒「無ろ過生原酒一番搾り」は、12月1日から販売を開始する。「ぜひ、地元の親戚や友人たちと飲んで、良い新年を迎えてほしい」と話していた。

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