本紙掲載日:2023-11-30
(2面)

マダニ感染症・食中毒対策などで意見交換

高千穂保健所で開かれた保健所運営協議会

高千穂保健所運営協議会

 西臼杵3町を所管する高千穂保健所(椎葉茂樹所長)の運営や、地域保健に関する事項を審議する高千穂保健所運営協議会は21日、高千穂町三田井の同保健所であり、管内の情勢や各種取り組みなどについて意見を交わした。

 保健所運営協議会は、地域保健法と県の条例に基づき、県内8保健所ごとに設置。高千穂では、県から委嘱された西臼杵3町の首長、高千穂警察署、西臼杵郡医師会、食品衛生協会、民生児童委員協議会、女性連絡協議会などの代表ら14人が委員を務めている。任期はいずれも2年間。

 椎葉所長が冒頭、「人口減少や高齢化が深刻となる中、地域のニーズや健康課題をしっかりと捉え、住民の命と安心安全な生活を確保するべく事業を展開していきたい」とあいさつ。

 議事では、任期満了に伴う会長に高千穂町の甲斐宗之町長、副会長に西臼杵郡医師会の植松昌俊会長を選んだ後、保健所の職員が、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)▽旅館・公衆浴場のレジオネラ症発生防止対策▽食中毒対策▽犬猫の苦情および引き取り状況▽保健医療福祉調整本部の概要を報告した。

 このうち、マダニが媒介するSFTSに関する報告では、感染経路や臨床症状、診断方法などの基本情報に加え、症例の届け出数は宮崎県が全国で最も多く、致死率は全国平均10・9%に対して15%ほど高い傾向にあることや、2013年3月の届け出開始以降、管内で初めてとなる患者報告が今年6月に2例あったことなどが示された。

 その後、それぞれの報告事項を踏まえ、委員からは「行政と保健所の連携をもっと密にするべき」「高齢者のSFTS報告数が多いのはなぜか」「野生化した猫に関する対応の正しい方向性は」など、要望や質問が出された。

 また、「(猟犬について)人に危害が及ぶ可能性が高い場合には、遠慮なく協力を求めてほしい」「食中毒防止のため、各組織で手洗いの徹底を呼び掛けて」などの意見も上がり、団結の意思を高め合っていた。

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