本紙掲載日:2023-12-01
(3面)

デイリー健康大学日向会場(下)

早めの受診を呼び掛ける関本院長

「ロコモってなぁに?目指そう!健康長寿」せきもと整形外科・関本朝久院長

◆悪化原因の三大疾患・違和感ある時は早めに受診

 ロコモの悪化の原因となる運動器の三大疾患を紹介します。
一つは骨粗しょう症です。骨強度の低下により骨折しやすくなります。厚生労働省の推計では日本の1280万人、10人に1人が患者です。

 腰が曲がり、日常生活が困難になります。腰が曲がる原因は、背骨の圧迫骨折ですが、圧迫骨折は1度起こると連鎖的に起こりやすくなります。3カ所以上になると内臓や心肺呼吸器機能を圧迫し、死亡率も骨折がない人の4倍になります。

 折れやすいのは大腿骨(太ももの付け根)と腰。大腿骨骨折と背骨の圧迫骨折が起こると寝たきりになりやすいです。大腿骨骨折は必ず手術をします。

 骨折の原因で一番多いのは、部屋の中での転倒です。こけないことが大事なので、つまずかないよう整理整頓しましょう。食事もカルシウムや吸収を増やすビタミンDが大切です。

 次に変形性膝関節症です。膝の関節にある軟骨がすり減って関節が痛みます。男性より女性に多いです。

 特徴的な症状は、動き始めの痛み。歩き始める一歩が痛いとよく言われます。水がたまる、正座ができない、O脚になってきたなどがあります。

 膝には骨の隙間に軟骨があります。軟骨は再生しません。すり減って骨と骨が当たり、痛くて動けなくなってロコモが進んでいきます。患者は一般の6倍の割合で要介護になってしまいます。

 もうひとつは、腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症。脊柱管は背骨の中の神経が通るところで、狭窄症は字のごとく神経の通り道が狭くなる病気。神経が圧迫されてさまざまな神経症状が出ます。

 代表的な症状は、間欠跛行(かんけつはこう)で、歩いていたらいつの間にか足が痛み、しびれが出ます。休むと楽になり、また歩けるようになります。

 骨粗しょう症は予防も治療もできます。変形性膝関節症も腰部脊柱管狭窄症も早期発見、早期治療が大切です。腰痛、下肢のしびれ、歩行時の痛み、間欠跛行を認める人は早めに整形外科を受診してください。

 最後にぜひ「ロコチェック」「ロコトレ」「ロコモ検診」を覚えてください。違和感がある時は、必ず整形外科に行って、早いうちにしっかり治療して、継続してください。要介護状態にならないよう、健康寿命を延ばしていきましょう。

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