本紙掲載日:2023-12-04
(4面)

よりよい牛づくりへ−東臼杵郡市畜連

第25回肉用牛改良増頭研修会

 東臼杵郡市畜連(楠田富雄代表理事)の第25回肉用牛改良増頭研修会が11月29日、門川町総合文化センターで、管内の畜産関係者が出席して行われた。席上、表彰事業があったほか、記念講演を聴いて見識を深めた。より良い肉用牛づくりを目指して毎年11月29日(いいにくのひ)に合わせて開催されている。

 開会の言葉を述べた同畜連の謀塚蟻Т道は、子牛価格の大幅な下落に加えて、飼料や生産資材の高騰にあえぐ畜産農家の厳しい現状に言及した上で、「国も県も市も一体となって支援していただいています。歯を食いしばってこの状況を乗り越えましょう。つらい現状ではありますが、研修会を一つでも実りあるものにしてもらえれば」と呼び掛けた。

 また、楠田代表理事は「JAとしても農家支援を最優先に経済連、行政と共に粗飼料、肥料、農薬の価格引き下げのために引き続き効果的な対策を打っていきます。今をしっかり乗り切る工夫を大事に、共に頑張っていきたい」とあいさつした。

 来賓の東臼杵農林振興局の右田憲史郎局長と江藤拓連合後援会の壱岐良文事務局長が祝辞し、管内畜産業の繁栄を祈念した。研修会では、椎葉村役場農林振興課職員で獣医の宮下絢香さんが「君たちは、どう生きるか」、県家畜改良事業団の長友千昭課長が「種雄牛の特徴と交配、求められる時代(次代)の牛造りについて」をテーマにそれぞれ講演。

 このうち同村出身の宮下さんは、獣医師になった経緯や家族で営む体験型民泊を通じて畜産や椎葉の自然にふれてもらう機会を提供していることを話した。

 同村の畜産農家の現状については家族経営がほとんどで、年々戸数が減ってはいるものの、母牛頭数は維持。牛舎が狭いなど地形的に恵まれないことも少なくないが、良質な牛を産出している農家の努力や、それを支える地域の助け合いについて紹介。また、活発な活動で畜産はもとより、地域の活性化に大きな役割を果たす「しいばモーモー母ちゃん」の取り組みにも触れた。

 その上で「良いことばかりではなく、大変なこともあります。しかし、それも農家にとっては楽しみの一つ。私たちは、これからどう生きるかを考えながら〃持続可能な牛飼い〃を実現したい。畜産を未来につなぐため、子どもたちが誇りを持って『牛を飼いたい』と言ってくれるような畜産を、改めて考えていきたい」と呼び掛けた。

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