本紙掲載日:2023-12-04
(7面)

16日に「第九」とクリスマス

形見直し初の「夕べ」

 年末の風物詩「第九」とクリスマスにちなんだ曲を楽しむ「『第九』とクリスマスの夕べ」は16日午後6時から、延岡市東本小路の野口遵記念館で開かれる。のべおか「第九」を歌う会(日盥У会長、団員約80人)主催。

 第1部は、ひむかオペラの会による「オー・ホーリー・ナイト」「ホワイトクリスマス」、延岡フィルハーモニー管弦楽団による「クリスマス・コンチェルト」など。

 第2部は歌う会、ソリストによるベートーベン作曲の交響曲第9番「合唱付き」(=第九)の第4楽章(ピアノ版)。ソリストは藤本いくよさん(ソプラノ)、増田弥生さん(メゾソプラノ)、柳田啓志さん(テノール)、伊藤純さん(バス)。

 これまで歌う会は、おおむねプロオーケストラである九州交響楽団を招聘(しょうへい)し、県内出身などのソリストと共に第九を全曲演奏してきた。

 しかし、同楽団の出演料の値上がりや、歌う会の団員減少などにより、これまでの形を見直すことに。全曲演奏は3年に1回とし、その間の2年間は「夕べ」として、第九の第4楽章のみをピアノ2台で伴奏する「ピアノ版」で、さらに地元の音楽団体と協力しながら、さまざまな形で企画していくことになった。

◆文化を大切にできるまち、ぜひ応援を−指揮者の山本さん

 その初めての「夕べ」。本番を前に、団員たちは練習に励んでいる。

 11月23日には今回の指揮者で、元公立学校音楽教諭として県北に長く勤務した山本俊之さん(66)=熊本市在住=から指導を受けた。

 山本さんは「ここ(口)で花火をはじけさせるように。一緒に自分の気持ちもはじけさせて」などとアドバイス。ドイツ語の発音や音程、一音一音の区切りなどを繰り返し確認した。

 岡山市出身。宮崎大学教育学部卒。音楽教諭として岡富中学校、坪谷小学校、延岡高校、高千穂高校、延岡しろやま支援学校など県北に長く勤務した。

 昨年4月から延岡フィルハーモニー管弦楽団の合奏トレーナーを務め、月1回来延している。「延岡は懐かしい、住み慣れたまち」と語る。

 今回の「夕べ」について「コロナ禍と、九州交響楽団の招聘断念という二つの困難を乗り越え、諦めずに歌い続けてくださっている歌う会に、まずは感謝したい。本当にすばらしいこと」。

 また「これから歌い続けていくためにも、この初の『夕べ』を成功させなくてはいけない。延岡は小さなまちだが、ここにはオーケストラがあり、オペラがあり、第九がある。決して華々しくはなくとも、これだけ力を合わせ、文化を大切にできるまちはあまりない。ぜひ応援を」と呼び掛ける。

 チケット(全席自由)は一般2000円、大学生以下は1000円。問い合わせは歌う会(延岡総合文化センター内、箟箍22・1855)まで。

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