本紙掲載日:2023-12-08
(2面)

110番「不審に思ったら積極的に」

高額な電子マネーを購入しようとする高齢者の対応を訓練したコンビニ店員(1日、ファミリーマート共栄あたご店)

特殊詐欺被害防止へ−コンビニで対応訓練

 県内で相次ぐ特殊詐欺の被害防止に向け、延岡市共栄町のファミリーマート共栄あたご店(小向英可店長)で1日、高額な電子マネーを購入しようと来店した客への対応訓練があり、通報要領や延岡警察署(黒瀬信太郎署長)との連携などを確認した。

 訓練では、県警職員が高齢者に扮(ふん)して来店。5万円分の電子マネーを購入しようとしたため、店員がそれを静止し、何の目的で使用するかなど質問すると、「突然、パソコンの画面が止まり、表示された番号に電話を掛けたところ、片言の日本語を話す男から修理名目として金銭を要求されている」などという返答があったことから、「詐欺の可能性が高いですよ」「いったん、警察に相談しましょう」と提案した。

 それでも「早くしないとパソコンが使えなくなる」と突っぱねる客に対し、「決まりで警察に相談することになっているんですよ。多分、どこのお店に行っても同じ対応をされると思いますよ」と穏やかな口調で説明。他の店員に110番通報を促し、最寄りの交番署員が到着するまで対応を確認した。

 県警察本部は、今回の訓練と同様の手口による特殊詐欺被害の急増を踏まえ、今年10月から、県内すべてのコンビニエンスストアに対し、「1万円以上の電子マネーを購入しようとする高齢者客がいたら、迷わずに110番通報を」と求めている。通報件数を増やし、防犯意識を高めるのが狙いで、延岡署も市内51店舗のコンビニに周知を図っている。

 訓練で対応した同店の店員田中希穂さん(18)は「お客さまが嫌な気分にならないように、穏便に対応することを意識した。アルバイト歴は1カ月半だが、体感では、電子マネーを購入される高齢者のお客さまは少ない。不審に思ったら、積極的に110番通報していきたい」。

 延岡署生活安全課の早川康友課長は「県内の特殊詐欺は、電子マネーを購入させる手口が多いのが特徴。電子マネーを取り扱う店舗には特に、110番通報への敷居を低くしてもらい、不審に思ったらすぐに通報してもらいたい」と話した。

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