本紙掲載日:2023-12-12
(1面)

みんなの消防団(上)地域防災の要を身近に

ラッパ隊と中学生が共演

◆16日に消防フェスタ−延岡総合文化センター

 地震や災害への危機感が高まる昨今、「地域防災の要」である消防団員の減少が全国的な課題となっている。延岡市消防団の荒木清団長(70)は、団員減少の理由として「消防団活動を一般の方々に見てもらう機会が少なくなっていること」を挙げる。そこで、「消防団を身近に感じてもらいたい」と消防団イベントを企画。16日に「消防フェスタin延岡〜身近に感じよう!みんなの消防団」を延岡総合文化センターで開催する。現役の団員が意見を出し合い、一からつくり上げる初の大規模イベントの内容を紹介しながら、消防団の現状を見ていく。

 延岡市消防団には現在1593人の団員が所属している。団員の職業はさまざま。仕事の都合で、居住地ではない地域の団に所属している団員も少なくない。

 地域ごとに大きく6支団に分かれ、定期的に放水の訓練を行ったり、自主的に講習を受けたりしながら、地域の特性に応じた災害対応を強化している。

 しかし、延岡市の消防団員数は、この7年間で400人近く減っている。荒木団長は「昔はもっと身近に消防団員がいた」と話す。

 延岡市消防団は以前、団員と市民が触れ合えるイベントを定期的に開催していた。例えば、市消防本部で祭りを開き、団員たちが市民を接待。文化施設で市民も招いた消防団主催のカラオケ大会を開き、盛り上がりを見せていたという。

 しかし、三北の消防団と統合した2006年以降は、規模の拡大を理由にこうしたイベントは一切廃止に。「消防団員と、一般の方々の関係が薄れていった」と分析する。

 そこで、延岡市消防団は今年7月に実行委員会を立ち上げ、再び延岡の消防団員と市民が触れ合えるイベントとして「消防フェスタin延岡〜身近に感じよう!みんなの消防団」を企画。実行委員長の睫斂仞副団長(65)は「消防団をよく知らない方たちにも、気軽に来場してほしい」と呼び掛けている。

 16日午後2時から午後5時まで延岡総合文化センターで開催する。入場無料。

 気象予報士で消防団員でもある野田俊一郎さんによる講演会、女性消防隊「とよ姫隊」のステージ、子どもが防火服を着て記念撮影できるコーナーなど。

 来場者には、のべおかコイン200ポイントが進呈される他、イオンの商品券などが当たるお楽しみ抽選会もある。

 また「ラッパ隊」と、地元中学生のコラボ演奏は全国的にも前例が少なく、市外の消防団関係者からも注目が集まっている。

 荒木団長は「本番に向けて、団員たちのボルテージも上がっています。支団同士の絆が深まったのもうれしい」と笑顔。

 実行委員長の睫敝団長は「団員同士で楽しく準備を進めています。消防団の魅力が、少しでも伝わるイベントになればうれしい」と期待している。

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