本紙掲載日:2023-12-12
(3面)

子どもの発達障害を学ぶ−言語聴覚士、原さん講演

関係者ら130人が聴講−延岡市

 延岡市の「子ども発達支援講演会」は4日、市役所講堂で開かれた。言語聴覚士、社会福祉士で一般社団法人「WAKUWAKUPROJECTJAPAN」代表理事の原哲也さんが、「発達障害のある子どもたちが周囲の大人に望むことは何か?」をテーマに話した。

 原さんは千葉県出身。大学卒業後、単身カナダに渡り、障害者グループホームに勤務。ヨーロッパやインドで、障害児者施策、貧困層の生活地域リサーチも行った。

 帰国後は障害者施設職員になり、言語聴覚士の資格も取得。29歳からは小児障害児リハビリテーション専門職として、長野県内で発達相談や障害児の巡回相談業務に携わり、5千件以上の相談経験を持つ。並行して立ち上げた会社では、飲食店を経営しながら障害者雇用の創出を試みている。

 講演会には、保育士や放課後等デイサービスの職員ら約130人が参加。原さんは冒頭、「発達障害の子どもに対しての理解や支援をしてくれる人が地区や地域の中に1人だけでもいたら、希望を見いだせ、幸せを感じられる」と述べた。

 発達障害は、脳の機能性の特性があることでさまざまな症状が起こり、生活のしにくさが生じるという。共通する特徴は、\犬泙譴弔であること乳幼児期に行動特性という症状が現れることG召竜’重特性自体は変わらない―だが、「周囲の理解と工夫の違いで、状況が良くも悪くもなり、理解と工夫がされないことで二次障害も起こる」と説明した。

 発達障害の人が望んでいる関わりについて、原さんは「とにかく親切に、そして理解に努めることが大切」と強調。発達障害のある人の願いとして、安心したい、安全がほしい、尊重されたい―など挙げ、「発達障害がある子も私たちも、同じ人間としての願いを持って生きている。願いがかなうように関わっていくことが親切にすること」と語った。

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