本紙掲載日:2023-12-12
(2面)

山岳事故想定し合同訓練−日向市消防本部

有事に備え・防災救急航空隊と連携強化

 日向市消防本部と県防災救急航空隊は6日、同市大王谷運動公園一帯で山岳事故を想定した合同訓練を実施、有事に備え連携強化を図った。

 市消防本部は、管轄内に海岸や山岳の自然を多く抱え、これらの地域での事故を想定して毎年2回、航空隊との合同訓練を実施している。今年は9月に御鉾ケ浦海岸で水難事故を想定して行っている。

 この日は、市消防本部と航空隊から計30人と防災救急ヘリコプター「あおぞら」が参加。山火事の残火処理をしていた消防団員が約10メートル滑落しけがを負ったとの想定で、救助するための資機材と隊員の投入、救助者の搬送のため、ヘリの出動を要請した。

 航空隊員からヘリの資機材やハーネスの取り付け方、乗り降りの注意点などの説明があった後、訓練を開始し、早速、市消防本部の隊員が乗り込み、現場上空へ。

 地上では、到着した部隊が救助準備を開始。降下ロープと要救助者の救出システムを作成して、隊員1人が急斜面で身動きがとれなくなった要救助者の元へ向かった。

 現場上空にヘリが到着すると、隊員計4人と資機材を2回に分けて投入。地上の隊員と合流し、担架や追加のロープなどの資機材を用いて要救助者を斜面から安全な場所まで移動させた。その後、航空隊員がハーネスなどの機具を装着してヘリに引き上げ、救急車の待つ陸上競技場へ向かった。

 市消防本部によると、管轄内の防災救急ヘリあおぞらの要請事案は昨年が4件。今年も11月現在までに4件が発生している。消防第2課の黒木睦雄課長は「山での事故は重症度が高い傾向にある。早い救助が必要となるため、今後も連携を密にして迅速に活動できるよう努めたい」と話した。

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