本紙掲載日:2023-12-13
(1面)

みんなの消防団(中)地域防災の要を身近に

世代や地域を超えて交流

◆16日に消防フェスタ-延岡総合文化センター

 延岡市消防団(荒木清団長、全6支団)が16日に開く「消防フェスタin延岡~身近に感じよう!みんなの消防団」で、ラッパ隊と中学生が出演する。

◆ラッパ隊共演親子で舞台に

 西階中学校吹奏楽部の染矢大晟さん(15)は、延岡市消防団員で「ラッパ隊」に所属する父、将広さん(57)に影響され、トランペットを始めた。16日の消防フェスタで初めて父親と共演。「父に認めてもらえるような演奏をしたい」と意気込む。

 音楽好きの消防団員で構成される「ラッパ隊」(松田俊春隊長、13人)。将広さんは小学6年生からトランペットを始め、ラッパ隊には1990年の設立当初から所属している。

 大晟さんは、幼い頃から父が吹くトランペットに憧れ、中学校入学と同時に迷わず吹奏楽部に入部。

 「吹き方によって、元気の良い音色になったりしたり、優しい音色になったりするのが楽しい」と魅力を語る。

 中学3年で最後の定期演奏会を終えた後だったが、消防団がイベントを開催すると知り、卒部した3年生部員らと共に出演しようと決め、消防団員と練習を重ねてきた。

 本番に向けて大晟さんは「卒部後にこうした発表の場が頂けるのは、とても幸せなことだと思っています。中学の吹奏楽部の最後の思い出として、一番息の合ったステージにしたい」。

 将広さんは「西階中の生徒たちは、みんな家族のように思っています。緊張もすると思いますが、楽しんで演奏してほしい」とエールを送った。

 当日は、宮崎市消防団のラッパ隊(小林宣仁隊長)とも、およそ10年ぶりに共演する。宮崎の小林隊長は「中学生とラッパ隊の共演というのは、全国的にもあまり聞いたことがない。消防団と市民のつながりが増えていくことは素晴らしい。成功に向けて、精いっぱいお手伝いさせていただければ」。延岡市消防団ラッパ隊の松田隊長は「外部との共演は、隊にとっても良い刺激になります。お客さんに楽しんでもらいたい」と話していた。

◆とよ姫隊は佐伯の消防団と共演

 延岡市消防団の女性消防隊「とよ姫隊」(富士持正美隊長、17人)は、大分県の「佐伯市消防団佐伯方面隊女性部」と共演。防災対応を遊びながら身につけるカードゲームや、手作りの紙芝居を披露する。

 子ども向けのレクリエーションはいずれも、今年6月から交流が始まった佐伯市の女性消防団員たちから教わった。お互いの本部を行き来しながら何度も練習を重ね、声の抑揚や雰囲気づくりを確認した。

 来年以降は、延岡市内の幼保園や学校訪問も積極的に行っていく予定という、とよ姫隊。富士持隊長は「市民の方々に活動の成果を見てほしい。幅広い世代に楽しんでいただけるように、頑張ります」と張り切っている。

 とよ姫隊は、1995年に延岡市で設立された女性消防団員で編成された消防組織。火災現場での消火活動は行わず、消防関連イベントの司会や広報啓発をメインに活動している。

 名前は、延岡の「~とよ」という方言と、水の神様である「豊玉姫」の名が由来で、市民公募で決まった。

印刷には対応しておりません。
当サイトは、閲覧のみになります。

写真の販売:https://stg-yukan-daily.epitas.com/provider/
写真販売所ガイド:https://yukan-daily.co.jp/photo-guide/page/