本紙掲載日:2023-12-13
(3面)

デイリー健康大学延岡会場(上)

成長期の「スポーツ傷害」について話す公文院長

「成長期に特徴的なスポーツ傷害」くもん整形外科スポーツ・骨関節クリニック公文崇詞院長

◆強い負荷繰り返す動き避ける・成長期の骨格、傷害のリスク高

 公益財団法人夕刊デイリー健康福祉事業団(松下勝文代表理事)の第28期デイリー健康大学延岡会場第2回講座がこのほど、延岡市社会教育センターで開かれました。くもん整形外科スポーツ・骨関節クリニック(延岡市緑ケ丘)の公文崇詞院長が「成長期に特徴的なスポーツ傷害」をテーマに講演しました。要旨を掲載します。

 スポーツによるけがと障害を合わせて「スポーツ傷害」といいます。このうち障害の方は使いすぎによる慢性的な痛みを生じるものということですね。

 まず成長期にとってのスポーツというのはどういうものかということと、成長期の運動の特徴をお話しします。

 運動、スポーツは成長期にとってとても重要なものと言われています。体の成長や発達の促進、体力向上にとって大切だということです。

 ポイントとして同じ動作を繰り返す、つまり同じ部位に強い負荷が繰り返しかかるような運動は、スポーツ傷害予防のために避けましょう。

 関節、筋肉、腱(けん)、じん帯などの「運動器」の中で、成長期において特徴的なものが骨になります。8歳くらいの子の膝のレントゲンを見ると、関節の上下に線が入っています。これがいわゆる成長線「骨端線」ですね。15歳くらいになるとこれが閉じていくという特徴を持っています。

 この骨端線は成長軟骨板と言われていて、軟骨細胞がミルフィーユ状に重なった構造をしています。そのため横にずれる力や引っ張られる力に弱く、骨端線から剥がれるような骨端線損傷などを引き起こすことがあります。

 成長期の骨格の成長は早いため、筋肉や筋の成長がついていけず体が硬くなります。また骨の密度も未成熟で少しもろい状態になるため、スポーツ傷害の危険性が高くなります。

 次は成長痛と骨端症についてです。成長痛というのは3〜6歳くらいの子が特に夜間、原因不明の痛みを訴えるもので、膝とか股関節など下半身に多いですね。筋・骨格系が未成熟なため、昼間に活発に動くことで疲労がたまって痛みを訴えるというふうに言われています。

 大体は様子を見ていると落ち着くケースが多いですが、小中学生が運動のしすぎで痛みを訴える場合は、成長痛で済ませてはいけません。骨端症などのスポーツ傷害と考えてもらった方がいいです。

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