本紙掲載日:2023-12-20
(1面)

明治・大正期の「旧土地台帳付属地図」

谷家が内藤記念博物館に寄託

◆100年以上前の延岡を記録

 江戸から明治時代にかけて回船業などで財を成した延岡市の豪商・谷家がこのほど、明治・大正期に作成されたと考えられる「旧土地台帳付属地図」を延岡城・内藤記念博物館に寄託した。

 寄託された地図の基となるのは、明治政府が1873(明治6)年に行った地租改正に伴う改租図。それまで収穫高で決められていた課税基準が地価に改められたことから、土地や所有者を把握する目的で作られた。

 しかし、正確性を欠いていたため、新たに「更正図」が作られた。寄託されたのは、「公図」とも呼ばれる「改租図」や「更正図」を写したと考えられる図面計460点で、合併前の延岡が記されている。

 所有者が記載されていること、日豊線開通にあたり鉄道が敷設される地番に色が塗られているのが特徴。

博物館学芸員の増田豪さん(49)は「多くの土地を所有していた谷家の歴史や経済活動の様子などがうかがえる。加えて、それぞれの地域の地理的状況をはじめ、所有者や当時の地域の歴史などもうかがうことのできる非常に価値のある史料」と話した。

 谷家の5代目当主の谷仲吉さん(79)=藤屋代表取締役=は「昔、谷家は農地地主で土地管理のために『旧土地台帳付属地図』を所有していた。昔の延岡の地理が分かる史料で良かった」と話していた。

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