本紙掲載日:2023-12-20
(2面)

まちづくり案、町長らに提言

五ケ瀬町役場で行われた「五ケ瀬デザインプロジェクト」の審査・表彰式
「五ケ瀬デザインプロジェクト」に取り組んだ五ケ瀬中3年生。前列中央は最優秀賞の戸高さん

地域課題を探究−中学生5人がプレゼン

◆五ケ瀬デザインプロジェクト−最優秀賞に戸高さん

 五ケ瀬町立五ケ瀬中学校(永富雅樹校長、65人)の3年生18人が、より良いまちづくり案を考えて町長らに提言する「五ケ瀬デザインプロジェクト」の審査・表彰式が18日、町役場であり、戸高来夢さん(15)の「高齢者と保育園が協力して取り組めば共に助け合う良い町になる」が最優秀賞に輝いた。

 同プロジェクトは多世代が関わり合い、学び続ける独自の地域創造・循環型教育システム「五ケ瀬教育ビジョン」の一環。地元の魅力や課題を探る「豊かな体験活動」に小学校から取り組み、9年間の集大成を提言するまでが一連の流れとなっている。

 この日は、9月の校内発表会で選ばれた5人が、小迫幸弘町長ら審査員の前でプレゼンテーションを実施。資料の見やすさや表現力、実現性、町が抱える重要課題への思い入れなど5項目を基準に各5点満点で評価した。

 戸高さんは、町内の保育業界が抱える課題について探究。職場体験や保育士として勤める母への聞き取りなどから、保育士は給与に対して仕事量が多く、それらを理由に退職者が増えることで、1人当たりの負担がさらに重くなる悪循環を生んでいると分析した。

 そこで、全国平均より高い傾向にある高齢化率に着目。働く高齢者を増やすとともに生きがいづくりに力を入れることで、誰もが幸せな人手不足の解消が見込めると考え「シルバー人材の活用」「サロンと保育所のコラボ」を提言した。

 グラフや他自治体の成功例を踏まえ、具体的な取り組み案や期待できる効果、懸案事項への打開策などを論理的に解説。「シルバー人材を活用することで保育士の負担を減らし、サロンと保育所がコラボすることで高齢者が笑顔になれる場所ができる」とまとめた。

 小迫町長は「どの提言も現状や課題を捉え、町の将来を真剣に考えていることが伝わってきた。甲乙付けがたい素晴らしい内容だった」と講評。今後は最優秀賞以外の提言も含めて検討し、実現可能な案を施策等に反映する予定という。

 戸高さんは表彰式後、「最優秀賞がもらえるとは思っていなかったので本当にうれしい。若い人を増やすというのは難しいことなので、働ける高齢者を増やすことで持続可能なまちづくりにつながれば」と喜んだ。

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