本紙掲載日:2023-12-29
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2023年歳末点描−鬼八の力石に大しめ縄

高千穂町観光協会職員らによって新しい大しめ縄が飾り付けられる高千穂峡の「鬼八の力石」(28日)

来る年の安全と繁栄祈る−高千穂

 美しい自然と厳かな柱状節理が織り成す神話の聖地・高千穂峡で28日、遊歩道沿いに鎮座する重さ約280トンの巨石「鬼八の力石」に大しめ縄を飾る恒例行事が行われ、明くる年へ安全と繁栄の祈りがささげられた。

 細い竹の芯に稲わらを編み込んで手作りする大しめ縄は、長さ6メートル、重さ約15キロの力作。高千穂町観光協会の職員や神楽を舞う地元の奉仕者(ほしゃ)が、延べ3日間をかけて制作した。

 同協会職員ら7人が左右のバランスに気を付けながら大しめ縄を針金で固定し、中央部分に赤と緑の御幣を装飾。石肌に根を張った雑草をはさみなどで刈り、頂に鏡餅を供えた。

 言い伝えでは、神武天皇の兄・三毛入野命(みけいりののみこと)が高千穂地方で悪行をしていた鬼荒神「鬼八」を退治した。力石はその戦いの際、鬼八が投げて三毛入野命に力自慢をするのに使ったとされている。

 同協会地域振興課の南條孝太朗さん(26)は「ここ数年台風などの被害が続いているので、来年は平穏無事な一年になってほしい」と話した。

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